
皆さんの多くが抱いているスタジアムに関連の疑問にお答えするべく、開発チームのメンバーらによるAMA(質問コーナー)をRedditで行いました。今回のAMAは過去最大の規模!ということでこのセッションには、ほぼすべての部門のメンバーに集まってもらいました。回答したチーム・メンバーは以下のとおりです。
- ディラン・スナイダー(シニア・ゲーム・デザイナー)
- セイディ・ボイド(UIアーティスト)
- サイモン・ヘドリック(品質保証)
- ダニエル・ダフィン(テスト・アナリスト)
- ベン・トラウトマン(別名:キャプテン・プラネット。データアナリスト)
- ブルース・ウィルキー(リード・グラフィック・エンジニア)
- ジャスティン・ケヴィル(シニア・ソフトウェア・エンジニア)
- ラリー・ウー(システム・デザイナー)
- トビー・ヴォクロット(シニア・ソフトウェア・エンジニア)
- コナー・コウ(シニア・システム・デザイナー)
- メーガン・リアドン(シニア・コミュニケーション・マネージャー)
デザインからエンジニアリング、品質保証、データまで、各部門のメンバーが一丸となって、スタジアムで目指した目標、モードに使われているテクノロジー、今後のプランといった、皆さんの幅広い質問にお答えしました。
この記事は、今回のセッションを見逃してしまった方のためにご用意した、質問と回答のまとめです。AMAに参加された皆さん、ご質問ありがとうございました。セッションに参加した開発チームのメンバーにも、この場を借りて感謝します。今後も、皆さんと意見を交換できれば幸いです。ともに素晴らしいゲームを作っていきましょう。
それでは皆さん、スタジアムを引き続きお楽しみください!
–「オーバーウォッチ 2」開発チーム
Q:三人称視点を追加した理由は何ですか?この視点の導入は、皆さんにとってもバランス調整やゲームプレイの面で大きな変化ではないでしょうか?
ディラン・スナイダー:インタビューでも少し触れましたが、「オーバーウォッチ」シリーズには、最初のローンチ以降ずっと三人称視点がゲームプレイ上の要素として組み込まれてきました!ラインハルトやブリギッテのシールド、ジャンクラットのタイヤなどを操作する際は、周囲の環境をより広く捉えることが理にかなっており、プレイヤーにとっても有益だからです。
スタジアムの大きな目標の1つに「理想のヒーローを構築できる環境の実現」というものがありました。これを実現するためにアビリティをより派手に、より強くすると、情報量が多くなります。三人称視点の常時採用は、一人称の視野外の情報を捉えるうえでも、プレイヤーにさらなる選択肢を与えるうえでも最適でした。
さらに、もちろん生みの苦しみはさまざまあるものの、完全な三人称視点のモードを採用してもバランス調整の考え方に過大な影響は与えないこともわかりました。個人的には、「これからスタジアムに挑むぞ」という感覚が得られる三人称視点が気に入っており、ほとんどこの視点ばかり使っています。
Q:ファンからの信頼を取り戻すこれまでの努力は、大変だったと思います。届いたフィードバックの大半がポジティブな内容であったことをどう感じましたか?
ディラン・スナイダー:チームの他のメンバーのことはわかりませんが、私自身にとっては「オーバーウォッチ 2:スポットライト」での発表から今に至るまでのスタジアムの開発段階のひとつひとつが、実に素晴らしく、同時に信じられないような体験でした。ゲーム開発において(というよりは、プロとしての仕事のほとんどにおいてだと思います)、なにかしら目先のことにばかり注意を奪われてしまい、自分の仕事がどれだけ特別なものであるかやどれだけ楽しいものであるかをついつい忘れてしまうことは起こりがちです。欠点や短所にばかり目が行ってしまったり、必要以上に完璧を追及してしまい、素晴らしい進捗や成果を自分できちんと評価できないということは往々にしてあります。
皆さんからのスタジアムやシーズン16、さらにはそれ以前のシーズン15に対する非常に好意的な反応には実に勇気づけられました。自分たちチームが楽しいものを作っているんだと再認識させてもくれたのです。こうして、皆さんからのご意見やご感想をもとに、スタジアムを改善していける段階へと入れたことを、心から嬉しく思っています。
ベン・トラウトマン:ディランと同じく他のメンバーの意見までは代弁できませんが、私はブリザードで「オーバーウォッチ リーグ」に携わるようになったのが2017年のことです。それ以来の8年間、山あり谷ありで悲喜こもごもの体験をしてきたことは皆さんにもご想像いただけるかと思います。ブリザードはすでに設立30年を超え、「オーバーウォッチ」シリーズもほぼ10周年です。現在では、文字通り世代を超えてさまざまな人たちが開発に携わっています。その中では私は比較的若い方の世代ですが、スタジアム開発チームにはより上の世代の人もいますし、逆に私より若い人もいます。長い年月を経て、ブリザードや「オーバーウォッチ」にも数々の変化が起こる中、また新しいもの、皆さんにワクワクしてもらえるもの、そして2025年の今を生きるファンの皆さんに楽しんでもらえる(そうなっていることを願います)ものをお届けできることは、非常にうれしく心がスッとする思いです。皆さんが楽しんでくださっている様子を見るのは、本当にうれしいことです。
Q:ミッドシーズンや次のシーズンなどの近い将来に、スタジアムのカスタム・ゲームを導入する予定はありますか?
回復キットや一時的なバフなど、他のプロジェクトでみられるような消費アイテムを追加する予定はありますか?また、特定のキャラクターへの対策に特化したアイテムを実装する予定はありますか?こうしたアイテムを導入すればビルドのバリエーションと面白さが増え、特定のマッチアップにおける生存力も上がるかと思います。
ディラン・スナイダー:近いうちにより詳しい情報をお伝え出来る予定ですが、スタジアムのカスタム・ゲームは絶対に実装したいと思っています。
対策に特化したアイテムは、「カウンター・ビルド」がスタジアムにおける重要な概念の一部であることもあり、すでにいくつか導入しています。たとえば、アッシュやジャンカー・クイーンには、2人のアイデンティティである「傷」や「炎上」が解除された際に、ボーナスを得られるようなアイテムが用意されています。同様にD.Vaやゲンジには、通常であれば勝ち目の薄いビーム攻撃に対抗するための手段が用意されています。いま挙げたような極端なケースにはこれからも注意を払い、こうしたシチュエーションに対抗できるアイテムやパワーは積極的に導入していく予定です。
Q:シーズン16の年間ロードマップでは、確かスタジアムの部分にKINGS ROWかMIDTOWNのマップがあったように思います。これは、今後ペイロードのモードが追加されることを示唆しているのでしょうか?
ディラン・スナイダー:すでにお気づきかもしれませんが、今回新たにスタジアムを実装するにあたって、本モードで重視するペースやメカニクスにふさわしいと思える新旧さまざまなマップを取り入れています。その一例がPARISのマップで、初代「オーバーウォッチ」マップとテーマ的な類似点はあるものの、プッシュ用のマップとして、大部分を完全新規のアートやデザインで構成しています。
開発チームとしても、「オーバーウォッチ」に登場してきた場所を新たな視点で描きなおす最高の機会だと捉えていますので、今後も似たような例が出てくるかと思います。
Q:新しいモードの実装、ならびにお忙しい中での質疑応答の開催、ありがとうございます。普段はなかなか伝えられないけど、コミュニティに伝えておきたい、というメッセージがあれば教えてください。
あと戦うなら、馬並みの大きさのアヒル1羽と、アヒル並みの大きさの馬100頭のどちらですか?
ディラン・スナイダー:普段はこんなことを言うのは禁じられているのですが、ここでは縛り事をいったん忘れましょう。コミュニティの皆さん、あなたたちは本当に、本当に素晴らしい人たちです。皆さんが素晴らしい日々を過ごされることを心から願っています。
おまけの質問についてですが、アヒル並みの大きさの馬100頭なんて、ボールのように蹴り上げたらよく飛んで爽快でしょうね。これ以上は言わぬが花でしょう。
メーガン・リアドン:PARISのマップがあるので訊かずにはいられないのですが、HORIZON LUNAR COLONYのマップはいつ実装するんですか?
ディラン・スナイダー:ウィンストン:「ウィンストン?ウィンストン!」
ハモンド:「キーキー、キキーキーキキー!」
ロボット音声:「ハムスター語を翻訳。"答えに興味がある"」
Q:アイテムやパワーの名前がどれもふるっていて大好きです。どういう過程を経て思いつくのですか?色々な案を出し合って、最終的に1つに絞るのでしょうか?他の言語に訳すのはなかなか難しいのでは?
ディラン・スナイダー:気に入ってもらえてうれしいです!モードを開発する過程で、アイテムやパワーの名前はかなり変わってきています。初期の段階では、大半が中身を端的に表したもので、例えばジュノの〈パルサー・トーピード〉のチャージを増やすパワーであれば、「トーピード追加」とか、そんな感じの名前になっていたはずです。パワーやアイテムの効果を入れ替えたいときにも、こうしておけば対応が容易なんです(これが原因でアイコンのやり直しを何回強いられたかなんて、セイディには訊かないでくださいね。物を投げつけられかねないので)。
最終的にリリースしたバージョンである最近の命名法では、チームのメンバーが考案した素晴らしい名前候補の数々(開発期間の数年間で何度も楽しいブレストを行いました!)をまとめて、ユーモア、実用的なわかりやすさ、そしてストーリー面での楽しさのバランスをとるように努めました。コナーからは、アイテムの命名に関してできるだけ「物質的」な印象にするように、つまりアイテムを文字として形にしたような、手に取って触れることのできる印象の名前にするよう要望がありました。パワーについてはもう少し漠然としており、物質的というよりはより概念的な名前もオーケーでした。
翻訳に関して言えば、幸いブリザード社内ですべてのタイトルを担当している非常に優秀なローカライズ担当チームがおり、アイテム名やパワー名に最悪の(または最高の)ダジャレなどが含まれていても、彼らがきっちりと翻訳してくれています。ええ、「双子鈴」の英語版の名前である「Two-zu」は私の発案です。反省も後悔もしていません。
Q:スタジアムでプレイするお気に入りのヒーローは誰ですか?そのヒーローで気に入っているビルドについても教えてください。
セイディ・ボイド:個人的には、アナをプレイするのが好きです!アナの武器パワーを高めて、彼女が単独で好きに戦えるようにするビルドがお気に入りですね。アナには「一匹狼」タイプの戦い方がよく似合うと思いますから!
ベン・トラウトマン:私は試行錯誤をするのが好きなので、あまり人気ではないビルドを色々と試すようにしています。試してみて特に気に入ったものの1つが、「スティンガー」を使ったジュノの武器パワー強化系のビルドです。「スティンガー」を使えばほとんどすべてのキルに関与できるので、序盤にキャッシュを稼ぐ手法としてはかなり魅力的なんです。
ジャスティン・ケヴィル:実装を担当したのであまり公平な意見ではありませんが、キリコに「俊足」や「分身の魔法」をつけて、相手の背後から奇襲できる理想の忍者に仕立てるのが好きです。
トビー・ヴォクロット:メインのゲーム・モードに登場したヒーローの中でメイだけはあまり好きになれなかったのですが、一度プレイテストで雪玉のビルドを試してみたらハマってしまいました。
コナー・コウ:ハイブリッド/アビリティ・パワー強化系のゲンジをプレイするのが楽しすぎます。でも、効率的にキャッシュを稼ぎたいなら、近接主体のゲンジですね。
それと、チャージ主体のラインハルトを使って内部のプレイテストで悪名を馳せたりもしました。聞いた話では、チャージのビルドはスキン「車掌」を装備していると30%効率がアップするとかなんとか…。
Q:メイの〈スノーボール〉など、新たなアビリティをもらっているヒーローもいれば、キャスディのようにダメージやクールダウンの強化オプションしかなく、新しいものは何もないヒーローもいます。これはなぜですか?
既存のアビリティを強化するより、新しいアビリティを追加する方がプレイの楽しさに大きく寄与すると思うのですが。
セイディ・ボイド:素晴らしい質問ですね。今後も心に留めておくべき点だと思います。私も、キャスディは巨大なタンブルウィード(西部劇でおなじみの転がる枯れ草)になってコロコロと転がるべきだといつも言っているのですが、ディランには却下されてしまうんですよね。
ラリー・ウー:この点について、デザイン面での知見をご紹介しておきます。大まかなガイドラインの1つとして、各ヒーローに新鮮で革新的なパワーを2~3個は作るようにしています。必ず達成する目標というわけではありませんし、開発の過程でゲームプレイ上の問題から削除しなければならない場合もありますので、確かに一部のヒーローに用意されている新アビリティは少なめです。アートの面から言っても開発に特に費用の掛かる要素であり、デザインの試行錯誤が必要な回数も多いため、簡単にお約束はできませんが、これからもすべてのヒーローの既存のパワーやアイテムを継続して見直していきます。
Q:パワーを考えるうえで一番大変だったヒーローは誰ですか?
セイディ・ボイド:アート面とUI面から言うと、思い当たるヒーローが数名います。タンクヒーローは全体的なシルエットが大きくより空間が必要なので、ダメージヒーローとサポートヒーロー以上に骨が折れましたね。あと、個人的に特に苦労したのがメイでした。彼女のアビリティは他のヒーローに影響するものが多く、氷の描写に説得力を持たせるのも大変でした。今後のシーズンで登場するヒーローのパワーも、かなり苦労しました…。
Q:AMAの開催、ありがとうございます!「オーバーウォッチ」は初代のローンチからずっと楽しませてもらっていますが、スタジアムは最高です。
さて、私からの質問です。一般論として、スタジアムの開発チームはロブスターのラビオリですか、それともピメントチーズ入りのひと口サイズのサンドイッチですか?
セイディ・ボイド:今回の質疑応答の中で、一番の難問ですね…。チームの他の人の考えはわかりませんが、ロブスターのラビオリだと感じる日もあれば、ひと口サンドの食べ残しだと感じる日もあると思います。
Q:新モードを楽しんでプレイしています!質問ですが、このモード向けにヒーローのデザインをする際、プレイヤーが抱くヒーローの理想像を変えてしまうような変革的なパワーと、既存のヒーローの強みを強化するようなアビリティと、一般論としてどちらが好みですか?
セイディ・ボイド:本当に素晴らしい質問ですね、ありがとうございます!各ヒーローの理想像やデザインは重視ししつつ、あらゆる意味で可能性に制限はかけたくないとも思っていました。総じて、各ヒーローの物語や背景次第といえるでしょう。例えば「空飛ぶラインハルト」なんて、いかにも彼がやりそうなことですよね。スーツを強化してくれとブリギッテにしつこく頼み込んだとかで、彼なら本当に空を飛びかねません。ですが、彼は大げさなほどに活気に満ち溢れた個性の人物です。それに対して、リーパー(こちらも飛行能力を持ってはいます)はレイス・フォームもあいまって、よりひっそりとして隠密な感じです。こうした考え方は他のヒーローにも共通しています。例えば、アナが空を駆け回っていたらひどく場違いですよね(とはいえ、アナメインの私としては、このアイデアも最高だと思いますが)。
Q:ランク・システムに関して、上手くいっている点といっていない点を教えてください。ゲームプレイの向上のため、現在検討中の方策はありますか?(マッチメイキングの改善、降伏機能の追加など)
通常のランク・システムと異なることはわかっていますし、プレイヤーがもう少し期待値を緩やかにすることも必要なのでしょうが、確かに真っ当な不満もあると思います。
サイモン・ヘドリック:スタジアムのランク・システムで重視した要素のうち、今のところ一番成功したのは「とっつきやすさ」です。できるだけ間口を広くして、誰でも気軽に挑戦してすぐ楽しめるようにすることを特に重視していました。
マッチメイキングに関して言えば、プレイヤーの体験を向上させる手段は常に探求しています。スタジアムは完全新規のモードなので、マッチメインキングのシステムもまだ甘く、プレイヤーを適切に振り分けできていません。とはいえ、多くの方がプレイして適切なランクへと定着するうちに、マッチメイキングもよりスムーズになっていくかと思います。
Q:スタジアム、最高です!最初のプレイテストの時点で気に入りました。基本的に文句なしです。
さて質問ですが、スタジアムをプレイするうえで、敵陣へとひたすら突っ込んでいく戦法がベストなように感じます。皆さんは、戦法をより多様化させる手段を何か考えているのでしょうか?それとも、単に現在のヒーローのラインナップの少なさ(リーパーやラインハルトだけ)ゆえに、こうした戦法が主流になっているのでしょうか?
それと、一人称と三人称との視点切り替えボタンを追加する計画はありますか?設定画面から変更するのも悪くはありませんが、キーに割り当てて簡単に切り替えられるようにするのもありだと思います。
サイモン・ヘドリック:素晴らしい質問ですね!
戦法は、プレイヤーやチームメイトがどのヒーローを選択するかによって大きく変わってくると思います。敵陣の正面からひたすら突っ込む戦法も確かに魅力的ですが、この戦法を主体にすると、奇襲に特化したヒーローへの対抗策が脆弱になってしまいがちです。好例として挙げられるのがアッシュです。シールドのライフを軸としたビルドのラインハルトと戦う場合、後方に留まりながらほとんど破壊不可能なシールドに向かってひたすら弾幕を浴びせかけるという最悪な状況になってしまうでしょう。そうした場合、側面を突いて相手のサポート役にプレッシャーをかければ、少なくともラインハルトが退却して味方を助けに行かざるを得ない状況に追い込むことができるでしょう(確かに、すべてが上手くいけばという条件付きですが)。
視点のキー切り替えは、現在のところ検討していませんが、だからと言って、絶対にあり得ないということでもありません。私たちは常にコミュニティからの要望やフィードバックに注目しています。プレイヤーの皆さんが望む機能であれば再検討もためらわないでしょう。
Q:スタジアムのマッチメイキングに関する質問です。
プレイヤーが確認できるランクとは別の、内部のMMRは存在するのでしょうか?
もし存在する場合は、それは他のモード(おそらくソフトリセット付き)からシードされたものでしょうか、それともまったく新しいものでしょうか?
スタジアムでは、シーズンごとにランクがソフト・リセットまたはハード・リセットされるのでしょうか?
マッチにおけるMMRの許容範囲などで言うと(グループ制限がないことを考慮しなくても)、現在のマッチメイキングはクイック・プレイに近いものなのでしょうか?
こうした点については色々と憶測が渦巻いているので、もしお答えいただければうれしいです。よろしくお願いします。
サイモン・ヘドリック:
Q:プレイヤーが確認できるランクとは別の、内部のMMRは存在するのでしょうか?
A:はい。プレイヤーが確認できるランクとは別の、独立した内部MMRをマッチメイキングに使用しています。ただし、調整や連続勝利数などのさまざまな要素を加味することで、プレイヤーが確認できるランクと内部MMRとの整合性を高めるようにしています。
Q:もし存在する場合は、それは他のモード(おそらくソフトリセット付き)からシードされたものでしょうか、それともまったく新しいものでしょうか?
A:内部MMRはまったく新規のものですが、その計算理論はライバル・プレイ マッチのものと似ています。
Q:スタジアムでは、シーズンごとにランクがソフト・リセットまたはハード・リセットされるのでしょうか?
A:現在のところ、スタジアムの各シーズン開始時にソフト・リセットを行う予定です。
Q:マッチにおけるMMRの許容範囲などで言うと(グループ制限がないことを考慮しなくても)、現在のマッチメイキングはクイック・プレイに近いものなのでしょうか?
A:スタジアムにおけるマッチメイキングは、クイック・プレイよりもライバル・プレイにおけるマッチメイキングに近いものです。
Q:どうも。スタジアムは、今までのところ大好きです。このモードで一番困っているのは、たまにチームの組み合わせがちょっと厳しすぎると感じる場合があることです。例えば、D.Vaに対してザリア(ビームへカウンターできるアイテムの存在には助かりましたが)とか、メイとリーパーに対してラインハルトとかです。
ドラフト・モード(ヒーローBAN)のような、こうした厳しい構成を避けられる要素の実装はあり得ますか?
ダニエル・ダフィン:ヒーローBANは、「オーバーウォッチ」の中でもまだ新しいシステムであり、現在のスタジアムのヒーロー・ラインナップを考えると、ヒーローBANは制限として強すぎると判断しています。将来的にはヒーローBANのスタジアムへの導入を検討するかもしれませんが、それはヒーローのラインナップがもっと充実してからのことだと思います。
Q:スタジアムで採用されている三人称視点が、ラインハルトを除いて、真後ろではなく肩越しなのはなぜですか?
ダニエル・ダフィン:キャラクターを中央に寄せすぎると、特定のアビリティを使用中に照準の妨げになってしまいます。開発チームではヒーローごとに視点カメラの改良に常時取り組んでおり、ラインハルトのアビリティには中央カメラがより適していると判断した次第です。
Q:スタジアムモードは、キャッシュやビルドのシステムもあいまってスノーボール(一方的な試合展開)が起きやすくなっていると思います。これは意図的でしょうか?それとも、スノーボールの対策に取り組んでいるところでしょうか?証明できるデータを持ち合わせているわけではありませんが、個人的にはこの点が楽しさを損なっていると感じます。
ダニエル・ダフィン:パワーの非対称性は意図的なデザインの一環です。バウンティ・システムとブースト・システムは、スノーボール対策として導入しました。チームでは、皆さんからのフィードバックやゲーム内の統計データを参照しつつ、今後の調整の必要性を判断しています。ただし現時点では、皆さんにご報告できることはありません。
Q:どうも!まずは、私の友人たちも私もこのモードをすごく楽しんでいることを伝えさせてください。単なる追加のモードというよりは、まったくの新作ゲームのようにすら感じるほどです。
スタジアムの開発体制は、通常のゲーム本編の開発チームと比較してどのように異なるのですか?外部の人が予想しないような、このモード特有の課題や留意事項などがあれば教えてください。通常のゲームと比べてもかなり多くの要素を考慮する必要があるように思えるので、開発の舞台裏がどうなっているのか気になります。
ダニエル・ダフィン:楽しんでいただけてうれしいです!また、ご質問もありがとうございます。
ゲーム開発では常に部門間の協力が求められますが、スタジアムのような大型モードになると、いつも以上に協力の重要性が増してきます。独自の専門スキルを持った数多くのチームが、通常の業務と並行して、スタジアムの開発に貢献してくれました。両方のコア・ゲーム・モードのマップを担当していたレベルデザイナーもいれば、その時々の優先順位に応じてリソースを振り分けていたアーティストもいたりと、ディランなどのスタジアム専任の開発メンバーを除く、大半のチーム・メンバーがスタジアム以外の業務を兼任しています。
予想外の挑戦は数多くありましたが、1つ例を挙げるなら、複雑化してしまったスコアボードですね。パフォーマンスの最適化、コントローラーの操作、ソーシャル機能の相互作用など、UIやツールチップでやるべきことが多くなってしまったのが理由です。さまざまなチームからエンジニア、デザイナー、アーティスト、アナリストが結集し、スコアボードの完成に向けて力を合わせました。他の目立つ機能と違って、スコアボードが上手く機能するようになっても誰も気がつきませんでしたけどね。
Q:ヒーローの追加順位はどのように決めているのですか?
スタジアムへの適応度の高さや、ヒーローの人気度に基づいて決めているのか知りたいです。ヒーローの変更ができないことを考えると、「一芸に秀でた」タイプの人気ヒーローを優先的に追加しようと思ったりはしませんか?
ダニエル・ダフィン:現在のところ、最新ヒーローをデビューしたシーズンの中盤でスタジアムに追加する予定です。既存のヒーローの選定基準はたくさんあります。ヒーローの人気度もその1つですが、通常はゲームプレイ上の要素が優先されます。「オーバーウォッチ」にD.Vaが追加されたのがメイと同時期であったことと、似たような形です。新たなヒーローなどを追加する際は、ゲームバランスを健全に保つことが重要になります。それに加えて、スタジアムのゲームバランスは、他のモードとは大きく異なります。いずれはすべてのヒーローを追加したいと思っていますが、他のコア・ゲーム・モードの状況が必ずしも次の追加ヒーローを決めるうえでの最適な尺度であるとは限りません。
Q:近年のゲーム・コミュニティは、戦略に応じたビルドの最適化へかなり重点を置く傾向があると思います。この点をどう感じていますか?プレイヤーはコンテンツ・クリエイターやフォーラムなどを通じて、自分で実験を繰り返して試行錯誤せずとも、いわゆる「ぶっ壊れ」級の強力なビルドを簡単に把握できるようになりました。今のところスタジアムにはランク・モードしかないので、最適なビルドを検索して、ただそれを真似するというやり方に流れがちだと思います。もっと、一風変わったビルドやジョークみあふれるビルドのような、最適化ばかりを目指したものとは一線を画するビルドを推進する計画はありますか?
ベン・トラウトマン:質問、ありがとうございます。実はこの点について私は、両方の立場から経験を語ることができます。ブリザードに入社する以前から、私はコミュニティ向けのこうしたリソースを作成していましたし、入社後も関連する社内ツールの作成に携わってきました。ご指摘いただいたように、プレイヤーの皆さんはあらゆる面で、私たちの作品を改善するための素晴らしいリソースを持っています。私たちの側から大してデータを公開してもいないのに、素晴らしい改善案を編み出す皆さんには、私も脱帽です。もちろん、従来の「オーバーウォッチ」のコア・ゲーム・モードでも、「最適化されたプレイをする」という圧力は存在しています。
一般論にはなりますが、私たちはこうした状況に対して、常に新しい要素を追加したり変更を加えたりすることでゲームの新鮮さを保持し、こうしたプレッシャーと戦うとともに、ゲームプレイの陳腐化を防げればと考えています。過去に高い人気を誇った「メタ」ですら、時間の経過とともに見慣れた繰り返しになってしまうため、私たちもプレイヤーが楽しめるように定期的にゲームの環境を色々と変える必要に迫られてきました。ヒーローのバランス調整を行う頻度には、ゲームが陳腐化しないようにしつつプレイヤーがあまりにも右往左往させられないような、最適な答えがあると思っています。
極言すれば、「最適だ」とされているビルド、構成、プレイスタイルの多くも一時は「奇抜な」ものとみなされていたのであり、メタの衰勢においてそうした時期というのは極めて重要なものです。「ぶっ壊れ」だとか「OP」だとか言われるビルドでプレイするのは楽しいですが、そうしたビルドも、しばらくすれば飽きてしまいます。そこのバランスこそが難しい点なのです。ゲームにおける試行錯誤や発見の楽しさ、習得の楽しさを維持するため、ゲームプレイを新鮮で、しっかりと変化のあるものにするのは私たちの責任です。新たなパッチを出すたびに知見を得ながら、常に全身全霊で取り組んでいます。
さてここで、内部のツールのデータを1つ明かしておきましょう。「奇抜な」ビルドがあるかどうかは別として、ルシオは、あまり人気を博してはいない一方で、使用プレイヤーの人口の少なさの割に高い勝率を誇ります。
Q:スタジアムのアイテムやパワーが、メイン・モードのパークに今後反映されることはあり得ますか?また、その逆のパターンはどうでしょうか?
追伸:スタジアムは最高です!開発してくれた皆さん、本当にありがとうございます!
ベン・トラウトマン:個人的にスタジアムのとあるパワーをとても気に入ったので、従来のモードのメジャー・パークとして採用してはどうかとチームに提案を行ったことがあります。今後実装される可能性もありますが、もちろん現時点ではどのパワーなのかお教えできないので、あしからず。
Q:スタジアムのバランス調整は、他のモードと比べてどうですか?各キャラクターが1人3役をしているようなものなので、はるかに複雑なんじゃないかと思いますが。
ベン・トラウトマン:これはいい質問ですね。スタジアムを構成する要素は、従来の「オーバーウォッチ」のゲーム・モードよりもはるかに複雑で、キャッシュによる購入、バウンティ、パワー、アイテム、独立したランク・システムなど、ゲームプレイに深みを与える要素が盛りだくさんです。
ざっくりとした計算でも、スタジアムでは通常のモードに比べて、バランス調整の検討に必要な要素が3~4倍存在すると思います。検討している項目の一部を挙げるだけでも、以下のようなものがあります。
- パワーの勝率とピック率
- アイテムの勝率とピック率
- ヒーローの勝率とピック率
- 全体的なアイテムのピック率(ヒーローは考慮せず)
- キャッシュのデータ(プレイヤーはどこでキャッシュを稼いでいるか、何に使っているかなど)
- マッチの結果に関するデータ(マッチの試合時間、逆転の発生頻度、キャッシュと勝敗との関連性など)
- その他いろいろ
この中でも特に厄介なのが、パワーとアイテムの組み合わせに関連した問題です。スタジアムで実現できるパワーとアイテムの組み合わせは相当数に上りますが、実際にプレイヤーがビルドとして採用するものはその中でもごく一部に限られます。これは、従来のモードには存在しないスタジアム特有の問題です。実際に分析可能なマッチのデータを大量に収集するまでは、どんなビルドが選ばれるのか、開発チームも経験に基づく推測をするのがせいぜいなのです。しかし、その推測方法はあまりにもマニュアル的であり、個々人の主観に依存しています。しかも、スタジアムに急いで対処する必要のあるバランスの問題がある場合は、時間がかかりすぎてしまいます。「このビルドの戦績は良いのか?」といった分析をきちんと行うために、正しい質問(「このヒーローのビルドにはどんなものがある?」など)をオートメーション的に投げかける方法が必要だったのです。
そのために、ヒーローとパワーやアイテムの組み合わせをクラスター分析して、各プレイヤーやマッチに「ビルド1」、「ビルド2」などのラベル付けを行うデータの事前処理を実施しました。これにより、各ビルドを後でカテゴライズ、定義、集計することが可能になります。その後、さまざまな手法(パワー、アイテム、アビリティキーワードの発生など)でビルドの詳細を記します。例えば「ジャンカー・クイーンのビルド1は〈カーネイジ〉と〈ランペイジ〉を組み合わせていて、アイテムとしては〈血への飢え〉が組み合わされることが多い」とか「ジャンカー・クイーンのビルド1は勝率がどれくらい、利用率がどれくらい」と分析できるようにしておきます。これにより、それぞれのパワーやアイテムの強さ、または複数のパワーやアイテムの組み合わせの強さなどを評価して、アップデートによる弱体化や強化の対象を絞り込むことができるのです。
AMAの参加者:しっかりと考察された透明性の高い回答ですね。ありがとうございました。
ベン・トラウトマン:こちらこそ!
Q:スタジアムで今一番人気のあるヒーローは誰ですか?
ベン・トラウトマン:
ダメージ: ソルジャー76が飛びぬけていて、残りは大差ありません。
サポート: ジュノのピック率が高く、残りは1割強ほど彼女よりピック率が低いです。ただし、ルシオだけは大差でピック率最下位です(でも優秀なヒーローですよ)。
タンク: ソルジャー76の場合と似ていて、ラインハルトが飛びぬけて高いピック率を誇り、残りは非常に近いピック率です。
Q:なぜ負けるんですか?
ベン・トラウトマン:負けません。
Q:ヒーローごとのアイテムやパワーの人気、勝率などのデータはありますか?あるなしにかかわらず、強すぎるまたは弱すぎるパワーを強化・弱体化する予定はありますか?
ベン・トラウトマン:短い答え:はい。
もう少し長い答え:こうしたバランス調整(強すぎ・弱すぎの調整)は、あらゆる面でのデザインで行っています。この点については、こちらの投稿でより詳しく触れています。
ラリー・ウー:ベンの回答に付け加えると、私たちは強すぎる・弱すぎるパワーの調整には積極的で、そうした強化・弱体化の際にデータが重要な役割を果たします。ただし、実際に何を調整するかの決定にはプレイヤーの皆さんの認識も大きく関わってきます。特に対抗策を打ちにくい、相手に使われるとイライラしてしまうという意見の多い要素がある場合、データ上は飛びぬけていなくても早めに調整を行う場合もあります。データとプレイヤーの意見は互いに一致する場合が多いですが、食い違う場合もあります。
Q:新たなヒーロー向けのアイテムやビルドをどのようなものにするかは、どういった過程を経て考案されているのですか?フレイヤ用のアイデアが開発中に中止され、後にパワーとして採用されたような例もありますか?将来の新ヒーローは、速やかにスタジアムに採用される計画ですか?
ラリー・ウー:ご質問、ありがとうございます!多くの場合、さまざまな理想のヒーロー像、ヒーローの能力の色々な面を取り上げた原型を数種類作るところから始めます。大抵は、そのヒーローの核となるゲームプレイを強化する「コア・ファンタジー+」のビルドを1つ最初に作り、次にもっと革新的で今までにないゲームプレイをもたらす原型を作ります。こうして数種類の原型が出来上がると、それぞれの原型を支えるコア・パワーを2~3個作り、残りは色々な原型に幅広く対応できる柔軟性のあるパワーにします。
フレイヤの初期のアルティメットを、実際にパワーとして採用しています。
現在の計画としては、新ヒーローはリリース後にミッドシーズンでスタジアムに採用することを優先していると思います。
ベン・トラウトマン:私はデザイナーではありませんが、ラリーには私の奇抜なアイデアにお付き合いいただきたいと思います。私は最悪なアイデアを出すのが得意なので、チームの皆さんにはその正反対のことを実行してもらうと良いと思います。
Q:マッチの終了時に、最後のラウンドの最優秀プレイヤーだけではなくてマッチ全体の最優秀プレイヤーを表示することはできませんか?
ベン・トラウトマン:ゲームするゲームでプレイの中で最優秀のプレイの…興味深いですね。
Q:三人称視点に取り組んでいる際にアニメーション関連で問題が発生したかどうかを知りたいです。かなりの作業量だったという話なので、何か面白い出来事があったならぜひ教えてほしいです。
皆さんの「オーバーウォッチ」への素晴らしい献身と情熱に感謝します。皆さんのおかげで、このゲームは最高の道を辿っていると思います!
ブルース・ウィルキー:興味深い点として挙げられるのは、新たな三人称視点のカメラ用に特別に調整されたVFXを扱うため、既存のアニメーションのシステムを拡張する必要があったことです。カメラの遠近感の関係で一人称視点の方がエフェクトの見え方が良い場合があり、同じVFXを三人称視点で見るときちんと見えなくなってしまうのです。私たちのVFXチームが、そうした問題の多くを見つけ出して解決してくれました!
Q:ブリギッテはいつ追加されますか?
ブルース・ウィルキー:ブリギッテが追加されることを条件にグラフィックの機能を交換材料として提案したこともあります。#奮戦中
Q:ダメージを緩和することでキャッシュを得られる手段を追加する計画はありますか?タンクに関して言えば、シールドのアップグレードでサポートしても敵タンクには勝てない場合が多く、楽しくない一方的なマッチになりがちなため、もっと攻撃的なプレイばかりが優遇されているように感じます。
コナー・コウ:ダメージの軽減でキャッシュを得られるようにする計画はありません。与えたダメージや回復によりキャッシュを得られる現在の仕組みは、アルティメット・チャージやパークの経験値を獲得する仕組みと密接に結びついています。この理由の1つは、ダメージを無限に軽減できるヒーローもいることです(たとえばD.Vaとか…)。ダメージを軽減することは、アルティメット・チャージと同じく、相手がキャッシュを獲得するのを防ぐことにもつながります。ダメージを軽減することによるキャッシュへの影響は、すでに少なからず存在するわけです。
プレイヤーが後れを取っている際に転換できる方向性として、よりタンク特化型・使いやすさ重視のビルドをすべてのヒーローに用意しようと取り組んでいます。この点は、たとえ調子の悪い時でもチームに貢献できるように、サバイバル・アイテムの価格が概ね安めに設定されていることと対になる措置です。そしてこれは、タンクだけに限定された話ではありません。今までに、頑丈なビルドのリーパーやソルジャー76に遭遇したこともあるのではないでしょうか。
ベン・トラウトマン:コナーの回答に付け加えると、開発チームではプレイヤーがキャッシュを何から獲得しているのかは常に調査しており、ヒーローやロールごとにキャッシュの獲得率を分析しています。
ジャスティン・ケヴィル:この件については私も同感です。ダメージや回復で得られるキャッシュを追加した際に最初にフィードバックとして意見を出した項目の一つが、まさにご質問で述べてくれた理由でダメージ軽減時にもキャッシュを得られるようにするべきではないか、ということでした。実際に、その内容でプレイテストも行ったくらいです。結局はダメージ軽減によるキャッシュ獲得を導入しなかった理由としては、コナーがすでに回答してくれた以外にも例えば、「ラインハルトのシールドを破壊すると相手に大量のキャッシュをみすみす与えたことになる」という、プレイヤーにとって気分が良くないという点も挙げられます。ラウンド間に多くのパワーを維持することができるのは、ザリアのバリアを延々と使い続けられるのと似た印象だったのです。
Q:どうも!まずは、私の友人たちも私もこのモードをすごく楽しんでいることを伝えさせてください。単なる追加のモードというよりは、まったくの新作ゲームのようにすら感じるほどです。
スタジアムの開発体制は、通常のゲーム本編の開発チームと比較してどのように異なるのですか?外部の人が予想しないような、このモード特有の課題や留意事項などがあれば教えてください。通常のゲームと比べてもかなり多くの要素を考慮する必要があるように思えるので、開発の舞台裏がどうなっているのか気になります。
ジャスティン・ケヴィル:感想、ありがとうございます。スタジアムをフレンドと一緒に楽しんでくださっているとのことで、とてもうれしいです。
さて、チームのメンバーが予期していなかったこととしては、スタジアムのリリースまでに色々な要素の試行錯誤を迫られたことが挙げられます。これについては、スタジアムと「ジャンケンシュタインの実験場」を比べていただくとわかりやすいと思います。実験場の根底にはランダムさがありますが、スタジアムも当初はこれに近いものになる予定でした。今までにないまったく新しいゲームプレイを提供する際は、新たな要素を試してみて、自分で実際にプレイし、面白いかどうかを確認するというプロセスを繰り返しやってみるのが一番です。ただ、こうした試行錯誤には時間がかかります。何度も検討と確認を重ねた末に、現在の形のスタジアムを作り上げることができました。プレイヤーの皆さんに好評で、私たちも本当に何よりです。
Q:スタジアムでは交代ができませんが、ファラやレッキング・ボールのような通常のプレイでは効率的に戦うために交代が必要になるようなヒーローを追加することについて、開発チームではどのようにお考えですか?
今までのところ、スタジアムを楽しんでいます。これからも頑張ってください!
コナー・コウ:スタジアムでは、相手側に対応してさまざまな戦略を選択できるとプレイヤーに感じてもらえるように常に努力を続けています。特に相性の悪い組み合わせを緩和するためのヒーロー・アイテムを作ったり、一般的なアイテムでの対策も試したりしました。たとえば、ビームを使うヒーローに苦戦しているのであれば、ビームのダメージを大幅に減らせるアーマーを手に入れる手段がさまざまに用意されています。また、特定のヒーローの組み合わせに強いビルドやパワーを作ることも試しました。究極的には、たとえ少々不利になるような組み合わせでも、自分の選んだヒーローでプレイできるんだと感じてもらえる体験を提供することを目指して取り組んでいます。とはいえ、まだ目標を完全に達成できていないことは承知しています。各ヒーローに必要な追加や変更を、これからも継続的に行っていきます。
スタジアムには今後もヒーローの追加を行っていきますが、それに合わせて既存のヒーローが新たに追加されたヒーローと対等に戦えるように必要なアイテムやパワーの追加を行っていく予定です。
ジャスティン・ケヴィル:コナーの回答に付け加えると、スタジアムのデザインで目指している核となる目標の1つが、相手に合わせてヒーローを交代するのではなく対抗するビルドで立ち向かうことです。こうした例として、アップグレードでいえばゲンジの「拡散コーティング」が挙げられます。通常ならヒーローを交代したくなるような、ザリアやメイ、モイラなどが相手のマッチで役立つアップグレードです。ご質問で挙げられているファラやレッキング・ボールについては、確かにデザイン面でかなり大変になることが予想されます。スタジアムのリリース時のヒーローに彼らが含まれていないのも、これが理由の一端です。現時点ではまだ具体的なことはお答えできませんが、こうしたヒーローをいかに追加するか、いかに楽しくプレイできるようにするかはチーム内でも検討を続けています。
Q:スタジアム、楽しいです!皆さんは、カスタマイズのロードアウトを事前に作成して利用できるというオプションを検討していますか?各ヒーローに用意されているスターター・ビルドとも似ていますが、私も私のフレンドも同じパワーを使うのが好きなので、毎回アーマリー内であちこち選択しなくても済むように事前に作成したビルドを1枠設定できるようにしてもらえれば、プレイ環境の大幅な改良につながると思います。
ジャスティン・ケヴィル:現時点では何もお約束できませんが、カスタム・ビルドの登録機能が欲しいというご意見は私たちも把握しています。この点は、開発チームとしても強い関心を持っている事項です。
Q:スタジアムが大好きです。ずっと前から「オーバーウォッチ」シリーズに追加してほしいと思っていた、まさにその通りのモードです。大型の実装、ありがとうございます。このモードの今後も楽しみです。
このモードの実装時、チームの皆さんが最大の実績だと感じた点は何ですか?逆に、締め切りに間に合わなかったものの本当は実装時に追加したかった機能やヒーローなどはありますか?
以下はおまけの質問なので、答えられればでかまいません:カウンターに役立つアクティブ・アイテム(発動に時間のかかる短時間の行動阻害、短時間のダッシュなど)の導入は考えていますか?
ジャスティン・ケヴィル:陳腐な台詞だと思われてしまうかもしれませんが、こうしたコメントをいただけることこそが最大の実績です。スタジアム導入という挑戦に成功し、皆さんに楽しんでいただけているということを、私たちも再確認できます。自分自身がずっとプレイし続けたくなるような作品の制作に携わることができ、他の方々も同じように感じてくださっていることを非常にうれしく思います。
私もMOBA(マルチプレイヤー・オンライン・バトルアリーナ)のゲームが好きですので、アクティブ・アイテムというアイデアは魅力的だと思います。ただ、多くのMOBAと比較した際に「オーバーウォッチ」特有の難関として挙げられるのが家庭用ゲーム機でも展開しているという点です。コントローラーには、「キー割り当て」を行えるボタンが少ないからです。既存のアビリティに効果を追加することを優先しているのもこれが理由の一つです。例えば、止められないようなアクティブ・アイテムの代わりとして、チャージ中に状態異常解除を行えるラインハルトの「クルセイダーの血清」があります。ただ、一般論としては対抗策の幅を広げてくれるようなアップグレードの追加は間違いなく検討の対象です。
コナー・コウ:「オーバーウォッチ」を楽しむ新たな手段としてのスタジアムの実装を、開発チームもメンバー一同とても喜んでいます。長年見慣れたヒーローたちが新たなパワーで生まれ変わるシステムは、「オーバーウォッチ」開発チームにとっても非常にエキサイティングな要素です。
おまけの質問への回答:「少しジャンプ・ダッシュできるアナ」のように、追加のダッシュや入力を増やすことも少し検討しました。とはいえ、ゲームの入力を無暗に増やすのは避けたかったので、全体への追加は行いませんでした。しかし、この点についてはまだ検討の余地があると思っています。
Q:今後の新ヒーローは、フレイヤのようにすぐにスタジアムに追加されますか?
ラリー・ウー:現在のところ、新ヒーローはリリース後のミッドシーズンでスタジアムに追加する予定です!
Q:開発者のインタビューでどなたかが、次にスタジアムに追加されるヒーローはフレイヤで、時期はミッドシーズンだと言っていました。フレイヤのパワーについて少しだけで教えてくれませんか?
ラリー・ウー:出力が抑えられるという条件付きで、アルティメットをより高い頻度で発射できるパワーが導入されます。
Q:すでにリリース済みのヒーローにも、新たなユニーク・アイテムが導入される可能性はありますか?
ラリー・ウー:メタの変化やデータなどに基づき、今後も既存ヒーローへの調整は続けていきます。解決したい事態(あまり有効ではないビルドがある、ゲームプレイ上の問題があるなど)の内容によっては、ヒーローのアイテムやパワーを追加したり、既存のものを変更したりすることも十分考えられます。
Q:質問が2つあります。
好奇心からお尋ねしますが、スタジアムのプレイヤー数は他のモードと比べてどうですか?また、地域によって人気度の差がありますか?
いずれスタジアムにはすべてのヒーローが追加されるのでしょうか?それとも、シーズンごとにヒーローの選択肢が切り替わっていくものと考えた方が良いですか?
ラリー・ウー:現時点ではあまり詳細をお答えできませんが、現在のスタジアムのプレイ状況には満足しています!
現在のところ、いずれはすべてのヒーローをスタジアムに追加する予定で、選択可能なヒーローを切り替えるといった計画はありません。
Q:長年プレイしてきたものとはまったく異なる新モードがスタジアムに追加される可能性はありますか?
トビー・ヴォクロット:個人的にスタジアムで気に入っている点の1つが、ラウンド制シューターという形式です。この形式が実現したおかげで、従来の「オーバーウォッチ」のゲーム・モードを手早く検証できるようになっただけではなく、今までは考えていなかったようなアイデアを試す余地も生まれました。アーロンとディランが以前、「ペイロード・レース」について少し話していたと思いますが、これはスタジアム限定の新モードです。残念ながら、スタジアムのリリースには間に合いませんでしたが、すごく面白いですよ。スタジアムを導入したことで、変化のペースが変わったことはうれしいですし、このモードに秘められた可能性にもワクワクしています。スタジアムに追加してほしい新たなゲーム・モードはありますか?
Q:質問はありません。ただ感謝したかっただけです。本当にすごく楽しいモードです。
トビー・ヴォクロット:ありがとうございます!
Q:質問が2つあります。
特定のヒーローではあまり有用ではないアイテムを今後どうにかするつもりはありますか(極端な例を挙げると、ラインハルトのようなヒーローの弾薬数を増やすなど)?もし検討しているとすれば、それはどのようなものですか?
また、既存のパワーを変更したり置き換えたりする予定は今後ありますか?それとも、もう現状に満足していますか?
コナー・コウ:「最大弾薬数増加」などの恩恵をラインハルトのようなヒーローにも与えることは、今のところ計画していません。こうした点はこのモードの粗削りな部分であることは間違いありませんが、ある意味では意図的なものでもあることも確かです。ヒーローごとに役立つアイテムが異なれば、ビルドの内容もヒーロー別に多様化していきます。ソルジャー76に特化した武器パワーのビルドは、ラインハルトに特化した武器パワーのビルドとはかなり異なることが想定されます。なぜなら、最大弾薬数はラインハルトには必要もなければ役にも立たないからです。こうした役に立たないアイテムは非表示にする手もありますが、どのキャラクターでプレイしていてもアーマリー内で一般アイテムが表示される位置は同じにしたかったので、そうはしませんでした。これにより、スタジアムをプレイするほどレイアウトに慣れて、アーマリー画面で素早く選択できるようになるはずです。
とはいえ、自分の使っているヒーローにプラスの効果がないアイテムについては、将来的にもう少し強調して表示するようにしたいと考えています。また、各ヒーローに武器やアビリティ・パワーなどのステータスがどう影響するのかをよりわかりやすく表示する方法も検討しています。
Q:バランス調整の変更は、どれくらいの頻度で行う予定ですか?
例えば、ソルジャー76やジュノの一部ビルドは強すぎて、スタジアムを台無しにしていると思いますが、こうした点にいつまで耐える必要があるのでしょうか?
コナー・コウ:ソルジャー76とジュノのバランスは、他のヒーローのアップデートにあわせて今週中にホットフィックスで調整する予定です。
バランス調整のアップデートは迅速に行うことを心がけており、特にあまりにもバランスを崩してしまうものがある際にはできるだけ速やかに実施します。スタジアムについては改善すべき点がかなり多く、まだまだ調整が行き届いていないことは承知しています。とはいえ、このモードにはいじれる個所が多いので、バランス調整に関しては楽観視して良いと思います。
Q:没になったパワーやアイテムのアイデアのうち、今後試してみたいと思うようなものがあれば教えてください。
また、今後トールビョーンを追加する際に、最初のエイプリルフール・イベントで登場したトールビョーンのハンマーブレードを何らかの形のパワーやアイテムも導入してくれませんか?もし本当に実装されたら、天にも昇る思いです!
コナー・コウ:トールビョーサーカー
Q:どうも。スタジアムは、今までのところ大好きです。このモードで一番困っているのは、たまにチームの組み合わせがちょっと厳しすぎると感じる場合があることです。例えば、D.Vaに対してザリア(ビームへカウンターできるアイテムの存在には助かりましたが)とか、メイとリーパーに対してラインハルトとかです。
ドラフト・モード(ヒーローBAN)のような、こうした厳しい構成を避けられる要素の実装はあり得ますか?
コナー・コウ:ヒーローBANのような要素をスタジアムに追加すれば、メリットが多いだろうということは、私たちも認識しています。導入されれば、チーム構成やメタに色々と興味深い影響があることでしょう。ぜひとも前向きに検討したいですね!