
皆さん、こんにちは!
先日「オーバーウォッチ 2」に導入した新要素「パーク」の研究が皆さんの間で盛り上がっているようで、私たちも嬉しい限りです。CIRCUIT ROYALの建物の天井にトールビョーンのタレットを設置する戦略や、アナの「バイオティック・グレネード」にバウンド機能を付けて、敵に不意打ちで交戦を仕掛ける戦略など、皆さんのパークを使った試行錯誤には目を見張ります。特にマップ中をウサギのように飛び回るザリアの姿は、私一番のお気に入りです。皆さんがこれからパークを使って、どんな新しいプレイを見せてくれるのか、私も楽しみで仕方がありません。
昨日、「オーバーウォッチ」チームのリード・ゲームプレイ・デザイナーであるアレック・ドーソンと、アソシエート・ヒーロー・デザイナーのスコット・ケネディが、Redditのライバル・プレイ関連のコミュニティ「r/CompetitiveOverwatch」にて、「Ask Me Anything」(AMA)、いわゆる「質問コーナー」を実施しました。このコーナーに寄せられた質問の数は、なんと600以上!できれば、質問の一つひとつに答えたかったところですが、時間が限られていたため、皆さんから特に多く挙がっていた質問を中心に回答しました。この内容をまだ知らない方のために、今回の「ディレクターの視点」では、両名が投稿したAMAの回答をご紹介していきます。来たるミッドシーズンのアップデートをどうぞ楽しみにしていてください。それでは、私はこれで。ともに素晴らしいゲームを作っていきましょう!
- アーロン・ケラー
パークのデザインに関する質問
Q:パークをデザインするにあたり、大枠として打ち立てたコンセプトは何ですか?
ファラの「アクティブ・スラスター」やリーパーの「恐怖の引き金」のように、ヒーローの弱点をカバーするようなパークもありますが、中には、シグマの「ビッグ・インパクト」やアナの「バイオティック・バウンス」といった、プレイヤー・スキルを問うようなパークや、ソンブラの「ホワイト・ハッカー」やモイラの「汚染」のような、ヒーローの本来のキャラクターに当てはまらないパークと風変わりなパークもあります。
パークは「オーバーウォッチ 2」内で発生しているさまざまな問題に対処するべく導入されたように見受けられますが、実際のところはどうでしょうか?パーク開発の主軸となった構想などがあれば、ぜひ聞かせてください。
アレック・ドーソン:パークは主に、既存のヒーローのゲームプレイ面における新要素の開拓、さまざまなシチュエーションにおける生存力の改善、そしてマッチにおける自由度の向上。この3つを想定して生み出された新要素です。
「各ヒーローが活躍できる場面を増やす」という目標が私たちチームにはありました。この目標を達成するために、一部ヒーローの、特定のヒーローに対する弱点を機動力のバフなどでカバーし、彼らがより多くのマップでポテンシャルを発揮できるようにしようとした結果、ジャンクラットの「フラグ・キャノン」やシグマの「レヴィテーション」をはじめとする、さまざまなパークが誕生しました。
ソンブラの「ホワイト・ハッカー」のように、多くの方の「こんなソンブラがいたらいいな」という想いを体現したパークもあります。こうしたパークは私たちにとっても、これまでの「オーバーウォッチ 2」になかったような概念を開拓する、いい機会になりました。これら変わり種のパークに対する皆さんの意見も、これから時間をかけて集められたらと思っています。
Q:質問です。アビリティにバフだけを純粋に与えるパークと、デメリットと引き換えにアビリティの性能を上げるパークの2種類が存在しますが、これらパークの導入はどのようにして決めているのですか?たとえば、射程距離が30%短くなる代わりに敵アビリティの使用制限時間を延ばすソンブラのパークや、味方を即時回復する代わりに「リザレクト」が15秒使えなくなり、逆に「リザレクト」を使うと即時回復が30秒間できなくなるマーシーのパークのようなものもあれば、「リコール」を使うだけで、「ブリンク」のクールダウン停止や「リコール」のクールダウン増加のようなペナルティを受けることなく、「ブリンク」が全回復するトレーサーのパークのようなものもあります。この先、新たなパークの導入や既存のパークの削除、パフォーマンスに偏りのあるパークのバランス調整などは予定していますか?
スコット・ケネディ:当初はデメリットと引き換えに強力なパワーを与えるパークをもっと考案していたのですが、こうしたパークにはシチュエーションに応じて、メリットをも上回るストレスが付随していました。
この問題は現在でも、ソンブラのメジャー・パーク「スタック・オーバーフロー」で見られます。「スタック・オーバーフロー」は、「ハック」のチャンネル距離と引き換えに、敵アビリティの使用制限時間を延ばすパークです。「キルを取りやすくなるメリット」と「反撃にあうリスクが高くなるデメリット」の両方を受け入れる選択肢をプレイヤーに用意する狙いがこのパークにはあったわけですが、残念ながらこのパークについて「使いづらい」、「このパークを装備したソンブラを相手にするとストレスが溜まる」といった意見が皆さんから多く挙がっています。この状況を改善するために「スタック・オーバーフロー」を調整するつもりですが、状況によっては、このパークを別の新しいパークに置き換えるかもしれません。
チームとしては、ストレスがメリットを上回る状況をできるだけ避けたいと考えています。暫定的な処置ではありますが、ひとまずデメリットを併せ持つパークを一方の選択肢として維持しつつ、代償なしでメリットが必ず得られるパークをもう1つの選択肢として用意することで、こうした状況を回避するつもりです。
Q:パークには「面白系」のパーク(例:ファラ、キリコ、アナのパーク)、「新アビリティ系」のパーク(例:バスティオン、オリーサ、トールビョーンのパーク)、「パラメーター値増加系」のパーク(例:リーパーやゲンジのパーク)など、さまざまな種類がありますが、チームは各ヒーローのパークの種類をどのようにして決めているのですか?単なるパラメーター値の調整にとどまっているようなヒーローに対しても、アビリティの内容を大胆に変えるようなパークを用意する予定はありますか?
楽しさにあふれたパークをすべてのヒーローに用意することが、私たちの主な目標です。ですが、特定のヒーローにこうしたパークを導入しようとすると、そのヒーローのアビリティが持つ個性ゆえに別の問題が発生することがあるため、代案も用意した次第です。おかげさまで、パークを導入してから今までの間に、皆さんに納得いただけてるパークの組み合わせとそうでない組み合わせを、かなり把握できました。パラメーター値だけを増やすようなパークは、できれば導入したくないので、今後時間をかけながら、これらのパークの内容を変えていく予定です。
また私たちとしては、「マイナー・パークは比較的小規模なアップグレード」、「メジャー・パークはヒーローの性能を大幅に変えるアップグレード」という、当初に設定した基本コンセプトに即するパークを開発・発展し続けることが重要だと考えています。楽しさにあふれたパークをすべてのヒーローに用意し、同時に、ヒーローを劇的に変えるようなメジャー・パークをもっとたくさん用意できるよう、引き続き開発に努めるつもりです。
Q:プレイヤーから特に好評なパークのうち、ヒーローの基本アビリティに組み込もうと考えているものはありますか?
スコット・ケネディ:パークの内容をヒーローの基本アビリティに反映する予定は、今のところありません。ですが、ヒーローに何らかの変更を加えようと考えるきっかけになったパークならあります。
バスティオンのパークがその最たる例でしょう。彼のパークは以下のように、バスティオン自身が従来から持つ欠点を埋めるようなメリットを持っています。
- 装甲砲:アルティメットをより使いやすく効果的に
- スマート・ボム:バスティオンの低い機動力をカバー
- 自己修復:バスティオンの生存能力をサポート(この修復機能にはミッドシーズンで、リソースに制限を設ける予定です)
これら3つのパークを実装したことで、バスティオンのパフォーマンスが全体的に改善しただけでなく、プレイした時の面白さもぐっと増えました。私たちがメジャー・パークで目指しているコンセプトの一部を、バスティオンのパークは体現しているといえるでしょう。パークの一部要素をヒーローの基本アビリティに組み込むことも、もしかしたら今後あるかもしれません。
Q:開発中に没になった面白いパークなどがあれば、教えてください。
アレック・ドーソン:機動力の低いヒーローを中心に、さまざまな移動系のパークをテストしたのは覚えています。テストしたパークの中には、トールビョーンがタレットの上で2回ジャンプすると、タレットの力で上方へと飛び出し、その射出角度も「アンカー・ボルト」があれば、タレットの設置アングルに応じて変わるというものもありました。このパークは、バックラインに奇襲しやすくするために考案したものですが、残念ながら2回テストしただけでお蔵入りになりました。とはいえ、コンセプトが面白いので、もしかしたら、このパークをもう一度練り直す日が来るかもしれません。
Q:チームの皆さんが気に入っているパークはありますか?ベストと呼べないようなパークでも構いません。ぜひ知りたいです。
スコット・ケネディ:ストレートかつ私たちの心を和ませるような質問、ありがとうございます。
トールビョーンの「クラフトマンシップ」は個人的に一番気に入っています。ラインハルトの背中をハンマーで叩きながらついて行くあのゲームプレイは最高でした。まだ試していない人は、ぜひやってみてください。
次点を挙げるとするなら、ファラの「爆縮ショット」とザリアの「ジャンプ・アップ」でしょうか。
パークのバランス調整に関する質問
Q:ヒーローのパフォーマンスに一番大きな影響を与えたのはどのパークですか?それと、通常のアビリティのバランスよりもパークのバランスを優先的に調整していくのか、両方を並行して調整していくのかも気になります。
アレック・ドーソン:現在、パークの恩恵を最も大きく受けているヒーローは、アナ、バスティオン、ファラ、ラマットラ、ウィンストンの5名です。特に影響力の高いパークを個別に挙げるとするなら、ラマットラの「復讐の渦」、マウガの「炎のタックル」、ザリアの「エネルギー・ランス」、ソルジャー76の「敏捷性トレーニング」あたりでしょう。ただ、パークの効果だけですべてを判断できる訳ではありません。マイナー・パークとメジャー・パークの組み合わせ、プレイヤーのランク帯ごとのパークの使用状況、ヒーローごとのパークのアンロック速度など、考慮すべき要素は数多くあります。
当面は、パークの影響力をより明確に感じられるように、パークを中心としたバランス調整を実施していく予定です。通常のアビリティもそれと並行して調整しますが、パークに必要な変更はそれなりの数に上るので、パークの調整と入れ替えを含むさまざまなアップデートを複数回、早くてシーズン16の開幕時から導入できればと考えています。
Q:選ばれるパークの偏りを統計として調べていますか?「特定のパークが90%の割合でピックされている」などの情報があれば知りたいです。
スコット・ケネディ:パークの選択率に関するデータはヒーローごとに取っています。ヒーローやランク帯によって、選択率は大きく変動しますが、それでも全般的に、片方のパークが見劣りしていると、もう一方のパークが高い割合で選ばれる傾向にあります。
例を挙げると、ロードホッグのマイナー・パーク「ホッグ・トス」は、もう一方の「スクラップ・フック」に比べて選択率が低めです。逆に、ラマットラの「ヴォイド・サージ」は、そのダメージ・ブースト効果から、パークとしての魅力が十分にあるので、ただ防衛力を強化する「ロング・バリア」よりもかなり高い確率で選ばれています。
それでも、選ばれるパークの偏りは全体を通してみると、まだ想定の範囲内です。これらのデータとフィードバックをもとに、調整や変更が必要なパークを特定し、今後のパッチで対応していきます。
Q:パークが実装されましたが、そのバランスや相互作用に関して、今後どのようなアプローチを取る予定ですか?パークの大幅変更や、ピック率に偏りがあるパークの調整を検討しているのかどうかも教えてください。
あと、スタジアムをプレイできる日をすごく楽しみにしています。スタジアムにはどのくらいの頻度でヒーローを追加していくつもりですか?レッキング・ボールにどんな面白いアップグレードが用意されるのか知りたいです。
スコット・ケネディ:当面の目標は、強すぎるパークと弱すぎるパークの調整です。シーズン15のミッドシーズン・パッチで、こうしたパークのバランスを調整し、シーズン16では想定どおりに機能していない一部のパークを置き換える予定です。
とはいえ、変更内容を検討するうえで、選択率と勝率だけを重視するつもりはありません。皆さんからはすでに、扱いづらいパークや、対戦相手が装備するとストレスフルなパークに関するフィードバックを多くいただいています。
パークの抜本的な変更を近い将来予定しているわけではありませんが、ストレスのないパークをすべてのヒーローに用意できるよう、鋭意取り組んでいきます。
Q:パークのうち、強すぎたり、弱すぎたりして、特にモニタリングしているものはどれですか?
それと、半年から1年でパークを総入れ替えするのか、それとも機能しているパークを少し調整したうえで残し、それ以外を入れ替えるのか知りたいです。
スコット・ケネディ:注視しているパークは確かに存在します。
トレーサーのメジャー・パーク「フラッシュバック」は、実装前からその影響力を気にしていましたし、今も注意して見ています。
ザリアの縦方向の機動力が大幅にアップするマイナー・パーク「ジャンプ・アップ」などの移動系パークも、一部のマップで非常に強力ですが、その選択率はランク帯によって大幅に変わります。
勝率と選択率の両方で想定を下回っているパークも一部存在します。もちろん、こうしたパークにも常に目を向けており、シーズン16でバランス調整や入れ替えを実施する予定です。
私たちがマイナー、メジャー両方のパークで目指しているのは、プレイスタイル、マップ、戦況にあわせてアビリティをカスタマイズできる環境です。特定のパークを選ぶのが常に正解、あるいは常に悪手という状況はできるだけ避けたいと考えています。
Q:パークの可能性をどこまで、ヒーローのデザインやアイデンティティに縛られることなく広げられるのか気になっています。
これはあくまでも例ですが、マーシーはトレーサーと比べると、プレイヤー・スキルをあまり問わないヒーローです。そんなマーシーに対して、単に性能を上げるパークの代わりに、プレイヤー・スキルに応じてポテンシャルを発揮できるパークを導入する可能性はありますか?
また、チームの皆さんがパークに「シーズン限定」的な要素を取り入れていくのかどうかも知りたいです。たとえば、これは極端な例ですが、あるシーズンではマーシーのパークをダメージ・ブーストに特化させ、別のシーズンではゲームの変化を目的として、スピード・ブーストに特化したパークへと変える、というような方針はありえますか?いま挙げたアイデアはかなり大胆かもしれませんが、ゲームの変化を面白くするだけでなく、ヒーローが特定の構成に縛られる状況を回避できる1つの方法といえるかと思います。ですが、マーシーというヒーローが持つアビリティのコンセプトを考えると、すこし極端でしょうか?
スコット・ケネディ:質問ありがとうございます!
今回のパーク第1弾では、各ヒーローのプレイスタイルをもっと活かしたり、変えたりするようなパークの導入に注力しました。今後、プレイヤー・スキルが問われるようなパークや、ヒーローのプレイスタイルを大きく変えるパークがさらに登場する可能性はあります。
今のところ、特定のプレイスタイルに焦点を当てたパークをシーズンごとに導入する計画はありませんが、どのパークが面白くて楽しいと感じられるのか、またそれがヒーローの勝率やプレイ率にどの程度の影響を与えているのか、私たちも大いに学んでいるところです。
Q:パークは、カウンター・ピックや特定のヒーローのパワー・スパイクを抑制するためのものですか?もしそうであれば、その目的を達成できそうなのか、今後どのような調整を考えているのか気になります。この点を念頭に置いたうえで調整したいヒーローがいれば、それも教えてください。
スコット・ケネディ:特定の敵ヒーローに対して有利なヒーローへと変える行為、いわゆるカウンター・ピックにはブレーキをかけたいと今までずっと思っていました。その点、シーズン15ではかなりの成果を確認しています。カウンター・ピックが最終的にどの程度減るのかまだわかりませんが、ライバル・プレイのロールキューでは以前よりも25%減っていますし、高ランク帯になるほど、その傾向が顕著です(マスター以上のランク帯では、もともとカウンター・ピックの頻度がかなり高めです)。
ですがパークは、特定のヒーローが圧倒的なパフォーマンスを発揮する現象、いわゆるパワー・スパイクの抑止を目的とはしていません。むしろ、パフォーマンスが瞬間的に上がる機会を増やすと同時に、各ヒーローの各場面におけるゲームプレイにさらなる深みを与え、さまざまなヒーローにさらなる活躍の場を与えるべく生み出したシステムです。
今後、ロードホッグの「ホッグ・トス」(「ピッグペン」の投擲距離を伸ばすパーク)のように、皆さんがあまり魅力を感じていないパークを別のパークに置き換えるなどして、パフォーマンスの低いパークを改善し、マイナー、メジャーともに魅力的な選択肢を設けられたらと考えています。
Q:パークのローテーションは次のシーズンから始まるのでしょうか?それとも、少し様子を見てからパークの内容を変更するつもりですか?
それに関連して、削除候補に挙がっている低パフォーマンス・低人気のパークについても教えてください(周囲では、トラップの投擲距離を延ばすロードホッグやジャンクラットのパークが貧弱という意見が大多数を占めています)。
それと、マイナーとメジャーの間に位置するパークや、メジャーよりさらに上のパークのように、パークのレベルを追加する構想があるのかどうかも気になります。
ケニー・ハドソン:シーズン16から、新しいパークの導入を始めます。ですがその前に、シーズン15のミッドシーズン・パッチで、一部のパークの上方修正を含む大規模なバランス調整や変更をパークに加えるつもりです。
たとえば、ロードホッグの「ホッグ・トス」と、二段ジャンプをリセットするジュノのパーク(「セカンド・イグニッション」)には、それぞれ「ピッグペン」のダメージを増やす効果と「グライド・ブースト」の持続時間を延ばす効果が追加されます。逆に、バスティオンの「自己修復」には、パフォーマンス抑制策として、リソース・メーターがふたたび設けられます。
パークのレベルに関しては、幾度となく試行錯誤を繰り返してきました。パークのレベルを2段階または4段階とする案や、最終的にすべてのマイナー・パークとメジャー・パークを取得できる案も検討したほどです。現時点では、今の3段階構成が最善だと考えていますが、今後このシステムが進化していく可能性はあります。もちろん、システムの変更はまだ時期尚早ですが、必要に応じて手を加えられるということだけは言っておきましょう。
Q:アレックさんは「オーバーウォッチ 2:スポットライト」で、今年の中頃にパークを「リフレッシュ」すると言っていましたが、それは全ヒーローのパーク4つすべてが新しくなるという意味ですか?アーロン氏が似たようなことを発言したという書き込みを見た覚えがあるのですが、ソースが見つかりませんでした。
それとも「リフレッシュ」は、急ぎの変更や修正を先に行いつつ、多少パークを調整する程度の小規模なもので、全ヒーローの各パークを一新するような大型アップデートではないのでしょうか?
アレック・ドーソン:来たるリフレッシュに向けて、できれば全ヒーローに少なくとも1つの新パークを用意したいと考えています。シーズン18でパークを一度リフレッシュするつもりですが、その内容がどういうものになるかはまだ決まっていません。おそらく全パークの25~50%について、完全新規のパークと入れ替えたり、大幅な調整を加えたりするなどして、変更する予定です。私たちも、皆さんに好評のパークをすぐに削除するような真似はしたくありません。変更されるパークは、比較的注目度の低いものが中心となるでしょう。
また、同じタイミングで、パークのシステム自体の評価もできればと思っています。この評価の結果によっては、劣勢チームに対する補正の調整、パークのアンロック速度の変更、開始レベルの選択機能を導入する可能性もあります。とはいえ、リフレッシュと評価に関する議論はまだ初期段階なので、今シーズンの流れを見て、今後パークをどのように進化させていくかを判断するつもりです。
パークを使ったゲームプレイに関する質問
Q:マッチの途中でパークを変更できるようになる可能性はありますか?
スコット・ケネディ:パークの選択に意味を持たせると同時に、味方と敵が選んだパークを見て、それぞれがマッチでどのようなプレイをしようとしているのかを把握できる環境を重視したいと考えています。
一方で、誤って意図しないパークを装備してしまう問題があるのは確かなので、何か対策ができないか慎重に検討するつもりです。
マッチ中のパーク変更は絶対にあり得ないと言い切ることはしませんが、現時点で仕様を変更する予定はありません。
Q:パークが実装されたことで、「ミステリー・ヒーロー」モードが一方的な展開になりやすくなっていますが、何か改善策はありませんか?今の仕様のままだと、勝っているチームがますます有利になるばかりです。ライバル・プレイ以外のモードの優先度は低いかもしれませんが、それでも楽しんでいるプレイヤーは大勢いるので、何か対応をお願いしたいです。
アレック・ドーソン:この問題には来週にも対処する予定です。今後は、スポーンするたびに2つのパーク(マイナーとメジャー1種類ずつ)をランダムに取得します。
Q:パークの事前選択やプリセットを検討したことはありますか?
ケニー・ハドソン:パークを事前に選択できるようにするべきか、チーム内で話し合ったことはあります。実際、開発当初はヒーロー・ギャラリーのロードアウトにパーク選択用のインターフェースを設けるつもりでいました。しかし、いざプレイテストを進めると、状況に応じて別のパークを選びたくなる場面が多々あり、選択肢をあらかじめ固定してしまうパークの事前選択はむしろ、マッチ中にパークを選ぶよりも不便だということがわかりました。ただ、プレイヤーがパークの選択と、パークを活用したプレイスタイルの両方に慣れてきた段階で、この案を再び検討する可能性はあります。
Q:チームの皆さんが下した「オーバーウォッチ 2」大変更の決断は、とても素晴らしいと思います。個人的には成功しているように思いますし、スタジアムの配信も楽しみで仕方がありません。さて本題ですが、質問がいくつかあります。
- 「卵が先か、鶏が先か」のような話かもしれませんが、「ジャンケンシュタインの復讐」の成功が、タレント(アビリティの強化オプション)をコア・ゲーム・モードに取り入れるきっかけになったのでしょうか?それとも「OW2」の開発当初からタレントの開発に労力を費やしていたことを考えると、パークの導入はもともとこのゲームの構想に含まれていたのでしょうか?
- パークの選択肢を2×2に限定した理由は何ですか?この構成が将来的に変更される可能性があるのか気になります。個人的には選択肢が多い分、マッチの序盤から終盤にかけてゲームの展開が大きく変わっていくので楽しかったです。
アレック・ドーソン:
- 実は、そのどちらでもありません。もっとコア・ゲーム・モードにさまざまな変化を取り入れる必要があり、そのためにパークという新たなゲームプレイ要素を追加しました。一部のタレントを流用できて、それはそれで助かりましたが、パークの大半はというと専用に作られたものです。アビリティの拡張はチームの得意芸ということもあり、これまでの経験を大きく活かす形でさまざまなパークを生み出していきました。ですが、「オーバーウォッチ」らしさを保ったまま、このゲームの枠組みをどれだけ広げられるかという点において、「ジャンケンシュタインの実験場」がスタジアムの開発時に指針となったことは確かです。
- パークの選択肢に関しては、試行錯誤の連続でした。開発当初から、今と同じ3段階構成のバージョンを考案していましたが、この初期の案にはパークの選択肢がなく、変化をあまり感じられませんでした。その後、「マイナー・パークが自動的に付与されて、マッチの終盤で2つのメジャー・パークのうち1つを選ぶ」という案を試し、この「選べる」というコンセプトに手応えを感じられたので、マッチの前半、つまりマイナー・パークの段階からパークを選べる仕様に変更しました。パークを導入したばかりの今、「オーバーウォッチ 2」に加える変化の量はこのくらいがベストかと考えています。このゲームの根本的な部分に変化を加えるわけですから、ゲームを破綻させずにすむラインを慎重に見極める必要がありました。もっと大胆に変更できたかもしれませんが、現状良いバランスに落ち着いたのではないでしょうか。今後、皆さんの反応を見ながら、このシステムをどう進化させていけるかを考えていきたいと思います。
その他の質問
Q:Custa(スコット)さんに質問です。どうしてアナにヘッドショットのパークを用意したんですか?うまく使いこなせるとは思いませんよ。
スコット・ケネディ:なので、私みたいにヘッドショットが苦手な人のために、"ダブル・ナノ・ブースト"のパーク(「モズ」)も用意してみました。
Q:「オーバーウォッチ 2」になってから登場したヒーローにダンス・エモートを用意する予定はありますか?
ケニー・ハドソン:いつ新ヒーロー全員にダンス・エモートを用意できるかわかりませんが、次にダンス・エモートを実装するヒーローがラマットラだということはお伝えしておきましょう。"いつか"は実装しますので。
Q:追加したいけどまだ実装できていない、または十分に開拓できていないと皆さんが思うメイン武器のコンセプトがあれば教えてください。
ケニー・ハドソン:次にどんな武器を登場させようかという話になると、決まって挙がるのが「火炎放射器」です。ぜひ追加したいと考えてはいますが、やるなら徹底的に作りこみたいですね。
Q:「クラッシュ」も、条件さえ揃えばすごく楽しいルールだと思います。話せる範囲で構いませんので、このモードを今後どうするつもりか教えてください。
かつてのアサルト・マップがいつかリワークされたらいいなと、ずっと思ってましたが…昔のマップといえば、GOUTHENBURG(ヨーテボリ)が別の形で再登場するチャンスはありますか?
アレック・ドーソン:私も、クラッシュはすべてが嚙み合いさえすれば、最高に面白いルールだと思っています。だからこそ、ライバル・プレイから外す前に、かなりの時間を費やしてスコアの仕様を調整していました。ですが、いくらスコア周りを調整しても、ポイントAとEの地形を変えない限り、クラッシュはライバル・プレイでうまく機能しないと私たちは判断しています。現在、「クラッシュ」用のマップを一から作り上げているところです。マップ製作の段階からこれまでと異なるアプローチを取ることで、このルールが抱える根本的な問題を解消できるのかどうかを確かめています。この作業はまだ始まったばかりですが、地形を大幅に変えたうえでスコア・システムを調整すれば、クラッシュというルールを大きく改善できるのではないかと期待しています。