ディレクターの視点:フォーマットの革新を目指して

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皆さん、こんにちは!これまでも記事や配信、投稿でそれとなくお伝えしたかと思いますが、私たちTeam 4(開発チーム)も皆さんと同じくらい「オーバーウォッチ」を愛しており、普段からこのゲームをプレイしています。それゆえ「OW」が楽しくあることは、いちプレイヤーである私たち自身にとっても重要であり、このゲームを進化させることは、私たちにとって大きな夢と言えます。

現在、Team 4において重要な議題の1つになっているのが「ゲーム・フォーマットの革新」です。フォーマットの変更はゲームプレイやフィールに大きく影響するので、決して軽い気持ちで変更を加えるつもりはありませんが、より良い「OW」を追求するうえで、この要素が持つ進化のポテンシャルは見過ごせません。今回の記事では、フォーマットに関する現状、そして実験の内容について詳しくお話したいと思います。

実験の目的

SNS上ではよく、「チームの人数」や「旧バージョンの仕様」がフォーマットに関するトピックとして話題に上がりますが、私たちはそれ以上に視野を広げ、他のやり方で「OW」をさらに面白くできないか検討しています。

この検討の一環として、シーズン3後半では6v6の「クイック・プレイ: HACKED」を今月の2回の週末にわたって実施する予定です。今回のテストでは、「ロールキューのマッチをよりダイナミックにする」、「タンクのプレイフィールを改善する」、「集団戦の展開の目まぐるしさを軽減する」、そして「現在のフォーマットでプレイヤーが抱えている不満を解消する」という以上の課題に注目したいと思います。

皆さんからは「通常の5v5においてタンクが勝敗に与える影響が大きすぎる」という意見がよく挙がっています。実際にタンクが1人の場合に感じる責任は重く、タンクのピック次第でチーム構成におけるミスマッチが生じてしまうこともあります。また、タンクが他ロールとの1v1において圧倒的に有利であることもバランス調整を難しくしています。もしタンク2人のチーム編成が可能であれば、これまでとは違った方向性でこうした問題の解消できるでしょう。

また「OW」のマッチは非常に展開が早く、状況も激しく変化します。このスピード感は多くの皆さんに楽しんでいただいている要素ではありますが、その一方で、序盤でアルティメット・チャージに不均衡が生じたり、集団戦で連敗が続いたりすると、一方的な展開になり不公平に感じられることも事実です。今回のテストで実験する要素には、こうしたマッチメイキングとバランスに対する不満を軽減できる可能性があります。

これまで実施してきた試験的なモードや期間限定イベント(「ジャンケンシュタインの実験場」など)から、非常に有益なフィードバックやデータを得られたので、今回の実験にはとても期待しています(たとえば、2024年の「クイック・プレイ: HACKED」で導入された「選べるパッシブ」の実験をきっかけに、私たちはいかに皆さんが選択の自由を求めているかを知ることができ、後のパークの実装に繋がりました)。

もちろん、どんなに実験の内容や結果が良くても、実験の工程がすべて終わるまでどう転ぶかはわかりません。既存モードの調整やアーケードの新モード開発のヒントになる可能性はありますが、たとえポジティブな結果が得られたとしても、必ずしもゲームの主要なフォーマットを変更するとは限らないので、これから紹介する実験内容をご覧になる際は、この点にご留意いただけると幸いです。

フレックスキュー

1つ目の実験は、7月17日から20日まで実施する「フレックスキュー」です。これは「2-2-2」構成の従来の6v6ロールキューと現在のオープンキューのハイブリッドをテストするもので、タンク1人、ダメージ3人、サポート2人の「1-3-2」編成を基本としています。

このフレックスキューの特徴は、ダメージ・ロールの1人がタンクへと移行できる点です。たとえば、トレーサーでプレイし始めて、全体のチームのプッシュが足りなかった場合、このフォーマットではすぐにザリアなどに変更することもできます。別の味方が同時にタンクに変更することはできませんが、タンクに移行したダメージ・プレイヤーがダメージに戻った際には、他のダメージ・プレイヤーもタンクに移行できるようになります。つまり、タンク2人、ダメージ2人、サポート3人からなる従来の「2-2-2」構成にも、状況に応じてフレキシブルに移行できるという訳です。

フレックスキューのメリットは以下の通りです。

  • 6v6のロールキューにおいて、最も人気のあるダメージ・ロールの枠が広がり、タンク2名を待つ必要もなくなるため、マッチングの待機時間が軽減される
  • それぞれのチームで2種類のチーム構成がマッチ中に入れ替わり、ロール変更を選ぶプレイヤーも入れ替わるため、通常の2-2-2構成よりも変化に富んだ試合展開が見られる(願わくは、「OW」の競技性はそのままに、こうしたメリットを引き出せればと考えています)
  • オープンキューでたまに見られる「タンク&サポート0人、ダメージ6人」のような極端な構成を回避できる

最大のデメリットを1つ挙げるとすれば、ダメージ・ロールのプレイヤーがタンクをプレイするようプレッシャーをかけられる可能性がある点でしょう。しかし、ダメージ・ロールが3人でそのプレッシャーを共有できるうえに、ピックの幅が大きく広がるとなれば、話は変わってくるのではないでしょうか。そのあたりもぜひ、今回の実験で確かめたいと思います。

ダイナミックキュー

2つ目の実験は、7月30日から8月2日まで実施する「ダイナミックキュー」です。こちらも6v6を基本としており、1つ目の実験内容である「フレックスキュー」の要素を併せ持っています。

このフォーマットでは、ロールキュー(2-2-2)とフレックスキュー(1-3-2)のマッチメイキングが並行して行われます。基本的に従来の「2-2-2」が優先されますが、タンクにキューを入れているプレイヤーの人数が少ない場合、上記のフレックスキューでマッチが組まれます。つまりこのフォーマットは、タンク人口の少なさゆえに成立しにくい「2-2-2」構成の欠点をフレックスキューで補ったものと言えるでしょう。

このモードのメリットは、最もバランスの取れたチーム編成である「2-2-2」同士のマッチをオープンキューやフレックスキューよりも多く実現できる点です。しかも待機時間に大きな影響はなく、「タンクをプレイしなければならない」というダメージ・ロールへのプレッシャーも幾分和らぐはずです。このようなキューは、かつて「OW」に存在しませんでした。現在はフレックス(すべて)にキューを入れるとタンクになることが多いかと思いますが、このフォーマットであればダメージは70%、タンクに移行する可能性を含むその他は30%になるので、より新鮮味と公平性を感じられるはずです。

一方で、これまでにあったマッチごとの一貫性は失われることでしょう。このフォーマットで競技性が損なわれるリスクについても注視していくつもりですが、まずは皆さんのプレイした感想を聞くのが楽しみです。

ゲーム・モードのデータ

私たちのデータによると、このところ特定のモードにおいてプレイヤー人口に変化が見られます。以下は、6月29日時点の1日あたりのモード別プレイヤー数の統計です(プレイヤーは1回のセッションでプレイしたすべてのモードでカウントされます。また、以下は全モードを網羅していないため、合計しても100%にはなりません)。

  • クイック・プレイのロールキュー(5v5):~54%(日別プレイヤー数のうち)
  • ライバル・プレイのロールキュー(5v5):~37%
  • クイック・プレイのオープンキュー(6v6):~19%
  • ライバル・プレイのオープンキュー(6v6):~8%
  • ミステリー・ヒーロー(6v6):~4%
  • スタジアムのライバル・プレイ:~3%
  • スタジアムのアンランク:~3%

5v5は依然として多数派を占めていますが、6v6の人口に増加が見られます。一方でスタジアムの人口は、比較的小規模かつコアなプレイヤー層が中心です。この点を考慮して、私たちは今後スタジアムにおける新ヒーローやマップの更新を停止したいと思います。シーズンごとのバランス調整やランク・リセット、報酬の追加は引き続き実施するつもりですが、今後はスタジアムの開発から得られた教訓に基づいて、アイデアと才能にあふれたスタジアム開発スタッフとともに今後の計画を進めていく予定です。

実験のデータ

今回の実験に何より不可欠なのが、皆さんの存在です。

「クイック・プレイ: HACKED」や期間限定イベントをどれだけ楽しんでもらえるかが、私たちの今後の方針を定める指標となるので、まずは先入観を持たずに、軽い気持ちで今回の「クイック・プレイ: HACKED」を楽しんでください。いつもとは戦闘ペースも雰囲気も大きく異なりますが、プレイ時間が経つにつれて印象が変わるかもしれません。それらに関する所感も含む、今回の実験モードに関する感想をお聞かせいただけると幸いです。

私たちが初期に実験として行ったテストも、ざっくりとしたアイデアを形にしたようなものでした。今回実験するフォーマットも結果によっては、ゲームバランスやゲームのわかりやすさ、「2-2-2」と「1-3-2」の振り分けタイミングの改善により注力したうえで導入するかもしれません。

ですが「クイック・プレイ: HACKED」としてテストを一度実施しただけでは、今後の方針を決定づけるのに十分なデータは得られないことも確かです。本当の意味で判断材料となり得るのは、試験的な要素がいかに面白く充実していたかを示す皆さんからの声。ぜひ積極的にフィードバックをお送りください。

おわりに

今後のテストの内容が、皆さんの間で多くの議論を呼ぶことは承知しています。ですが、私たちが今回のような実験を公に行うのは、あらゆるプレイヤーを巻き込んで「OW」をより良い方向へ導きたいからこそ。もし自分と意見が違う人がコミュニティにいても、好奇心と親切心を持って、そんな人たちと向き合ってくださると嬉しいです。

もちろん、今回の実験の結果やその後の展開に関わらず、私たちはこれからも「最高のヒーローシューター」をこのゲームで追求し続けます。ともに素晴らしいゲームを作っていくため、ぜひこの実験にお付き合いいただけると幸いです。ここまで読んでいただき、ありがとうございました!