1週間を振り返る:スタジアムにトレーサーが参戦!

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1週間を振り返る:スタジアムにトレーサーが参戦!

皆さん、こんにちは!スタジアム・チームのコナー・コウです。怒涛のシーズン18が開幕し、もうすでにミッドシーズン・パッチが迫っていることに、私たち自身も驚きを隠せません。9月17日に配信される同パッチでは、ついにトレーサーがスタジアムに参戦します。

「オーバーウォッチの顔」ともいえる彼女の実装は楽しくも難しいプロジェクトであり、Team 4(開発チーム)のさまざまな部門からの協力が必要でした。そこで今回は、皆さんからよく挙がる「スタジアムにヒーローを追加するには実際にどんな作業が必要なの?」という質問にもお答えするべく、そのワークフローについてお話ししたいと思います。関連して、気になっている方が多いであろうトレーサーのパワーとアイテムも少しだけお見せしますので、どうぞお楽しみに。

ヒーロー追加のプロセス

スタジアムのトレーサーをご紹介する前に、スタジアムのヒーローに対するアプローチを簡単に説明しましょう。

スタジアムではチームワークがカギであり、それは私たちスタジアム・チームの仕事においても同じです。ヒーローを1人追加するにも、アート、サウンド、システム・デザイン、VFXなど、数多くの部門が関わります。そのため、追加が決まってもすぐにコードを書き出したり、派手なエフェクトやパワーを開発し始めるわけではありません。既存のヒーローをスタジアムに落とし込むプロセスは、ゲーム・デザイナーがビルド開発の指針となるアーキタイプ(原型)を作るところから始まります。たとえば、追加するのがダメージヒーローなら、タンク寄りの耐久型ビルドと、対になるようなサポート性能&機動力強化型のビルドを考案するでしょう。

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スタジアム版トレーサーのアーキタイプ(原型)

このようなビルドの原型を用意して、効果が重複していたり矛盾していたりするパワーやアイテムの数々に整合性を持たせていき、原案の詳細を詰めていってから、チーム全体にピッチングを行っています。

ヒーローのビルドの原型(とスタジアム固有のスタッツ、パワー、アイテム)が決まると、次は楽しさ満点な段階――初期プレイテストに移ります。スタジアム・チームではたくさんのプレイテストを行いますが、個々のプレイヤーのヒーローに対する感触を確かめるためには、多種多様なメンバーに参加してもらうことが不可欠です。

このテストでの目標は、熟練のトレーサー使いと普段トレーサーを使わないプレイヤーの両方にとって魅力的で強さを実感できるようなビルドを作ることだったので、実際にトレーサーのスタジアムのビルドをテストした際、トレーサー・メインのテスターばかりではなく、あまり彼女をプレイしたことがないテスターにも参加してもらいました。こうして、テストとフィードバックの回収を十分に重ねてから、各部門に本格的なサポートを要請します。

これは「オーバーウォッチ」だけでなく、あらゆるPvPにおいて共通の事項ですが、画面の見やすさとゲーム内テキストは核心的な部分であるため、アビリティの豪華さとスタジアム全体の整然性のバランスは慎重に見極めなければなりません。特にスタジアムでは、パワーやアビリティをアーマリーのフェーズからすぐに理解できるよう、簡潔でわかりやすい説明文を作るため多くの時間を費やしています。

ここまでの準備が終わると、今度はTeam 4のメンバーをさらに招待して、スタジアムに次回追加するヒーロー全員分のプレイテストを行います。テストという大義名分で同僚を集めるのは楽しいものですが、もちろんそれだけではなく、彼らのフィードバックは早期に問題点やバグを発見するうえでも重要です。

トレーサーのパワー

トレーサーをスタジアムに追加するにあたって、私たちは「時空を超えるスピード感」のような彼女ならではの魅力を特に重点的に掘り下げました。ですがその一方で、時間というテーマにあまりとらわれていない、サポートや敵チームの攪乱を重視したビルドも、ダメージに秀でた従来のプレイスタイルを忠実に強化できるビルドと並行して開発しています。

数々のプレイテストの末に実装されたアイデア満載なパワーの1つが、味方も任意で時間を巻き戻せるパワー、名づけて「ポータル・リコール」です。その名が示すとおり、トレーサーのプレイヤーが味方に「リコール」を強制するというシチュエーションがあまり望ましくないため、トレーサーの味方には「専用ポータルの利用」という形で、「リコール」するかどうかを場面に応じて選べるようにしています。

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トレーサーのパワーの1つ「バレット・タイム」のプロトタイピング過程

高速サポートに特化したパワーもあわせてご用意しています。たとえば「時系列修正」は、6メートル以内の味方がそれぞれ過去3秒間に受けたダメージの75%分回復する「ギリギリの状況でのクラッチ」というトレーサーのキャラクターにもマッチしたパワーです。従来の「バックラインへのダイブとキル」に特化したパワーも用意していますが、こうしたパワーをビルドに取り入れてみるのも効果的でしょう。

ヒーローを追加するときはいつもちょっとした練習や学習の機会を取り入れていますが、もちろんトレーサーもその例外ではありません。「クォンタム・リロード」は、リロードしながら「ブリンク」を使うことで、武器に最大数以上の弾薬とライフ吸収効果をプラスできるパワーです。リロード中の「ブリンク」はコア・ゲーム・モードでも便利なテクニックなので、熟練のトレーサー使いだけでなく、新規のプレイヤーにもこの操作を身に着けてもらいたいと思い、本パワーを開発しました。こちらのパワーもぜひ試してみてください。

チーム一同、皆さんがスタジアムでもトレーサーを大いに楽しんでいただけることを願っています。ここまでお読みいただきありがとうございました!

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