「シネマティックが、校外学習でオーバーウォッチ博物館を訪れた子供向けの映像だとしたら?」
これは、「オーバーウォッチ」初期のアナウンスメント・シネマティックのストーリーについて初めて打ち合わせしたときの言葉です。このたった一つの考え方が、現在にまで至る「オーバーウォッチ」の物語展開の基本となっているんです。これ以前には、新たなユニバースへの導入を助けるためのより深刻で暗い雰囲気のものを考えていました。でも、最終的には今展開しているような健全で明るいトーンの物語こそが進むべき道だと気づいたのです。打ち合わせではさらに、自分たちが子供時代に観たような映画を参考にしようという話になりました。明るいトーンで、キャラクターや希望、そして何より心に焦点を当てた映画です。それこそが、私たちが目指す「オーバーウォッチ」の在り方だったんです。「戦って勝ち取る価値のある未来」、「英雄精神を体現するヒーローたち」といった物語の主軸となる概念はこうした打ち合わせの中で生まれ、今日あるような「オーバーウォッチ」の物語や全体の雰囲気を形作る基礎となったのです。
「今日」、「物語」といえば、「オーバーウォッチ」では新たなストーリー任務が間もなく登場する予定です。「オーバーウォッチ」のユニバースに飛び込んだばかりの人や、今までのストーリーをあまり詳しく知らないという人には、完全新規の短編アニメーション「創生」がおすすめです。現在のところ最初の2パートが公開されており、7月20日(太平洋時間)にはパート3が出る予定です。この短編を観れば、オーバーウォッチの初期の歴史、彼らが結成された理由、そして彼らが(少しの間とはいえ)未来の地球における最も偉大なヒーロー集団だと見なされていた理由がわかります。今後も「創生」のようなコンテンツを制作し、このユニバース(まだまだ語るべきところはたくさんありますから!)を具体化していき、なにより物語を前に進めていきたいと考えています。
それではここで、これまでのストーリーを振り返りましょう。そもそものオーバーウォッチ結成のきっかけは「アヌビス」という名の強力な人工知能がオムニックの支配権を奪い、人類を一掃しようとした世界規模の大事件「オムニック・クライシス」にあります。アヌビスを倒して世界を救ったオーバーウォッチは、自分たちの使命を拡大させました。彼らは、平和、平等、繁栄をすべての人類にもたらすために戦う、数千もの人々からなる国際組織へと姿を変えたのです。このころが、オーバーウォッチの最盛期でした。
様々な理由もあり、残念ながら時が経つにつれて彼らの輝きは徐々に失われていきました。
そして、オーバーウォッチは解散を迎えたのです。主要メンバーたちは、引退を余儀なくされました。この決定に従い一般市民として静かに暮らした者もいた一方で、おとなしくしていることができない者もいました。ブリギッテは名付け親であるラインハルトとともに世界を旅して、助けを求める人たちのために戦いましたが、超知性を持つゴリラのウィンストンは、放棄されたウォッチポイント・ジブラルタルの施設で自ら隠遁生活を送り、革新的なテクノロジーを発明することに没頭しながら、かつて自分たちが守っていた世界が徐々に移り変わっていく様子を静かに見守っていたのです。また、ソジョーンは…いえ、ネタバレはやめておきましょう。「オーバーウォッチ 2: インベージョン」の登場直前に公開される予定の短編アニメーション「CALLING」では、彼女が何を考えて行動していたのかが描かれますから。「CALLING」は、ヌルセクターによる世界規模の侵略と、それに対するオーバーウォッチの戦いへとつながる最後のストーリーとなります。
「オーバーウォッチ」の物語に携わる我々全員にとって、ストーリーは非常に重要な要素です。オフィスで日々議論し、磨き上げていくものであり、「オーバーウォッチ」のユニバースを支える重要な柱の一つでもあるのです。「オーバーウォッチ」シリーズにあまり触れたことのない方やこれからシリーズの物語を追いかけていこうとしている方は、ぜひhttps://overwatch.blizzard.com/ja-jp/media/からメディアのページにアクセスし、厳選されたストーリー・コンテンツをご覧ください。また、8月10日(太平洋時間)に登場予定の「インベージョン」のストーリー任務をはじめとした、さまざまなストーリー関連のコンテンツもぜひお楽しみください。「オーバーウォッチ」のストーリーに携わる我々チーム一同、短編アニメーションやコミック、小説、短編物語、アニメ、ビデオ、ボイス・ラインなど、多様なコンテンツにこれからも全力で取り組んでまいります。皆さんにお届けするのが待ちきれないくらい、まだまだたくさんの物語展開が用意されています。 それでは、ジブラルタルでお会いしましょう!