10月5日を目前に控え、開発チームは「オーバーウォッチ 2」のリリースに向けて努力を重ねています。今回は、サービス開始日に実装されるヒーローのバランス調整をご紹介。「オーバーウォッチ 2」で導入される新しいシーズン形式で、どのようにバランス調整をしていくか、私たちの思想とアプローチについて詳しくご説明します。
シーズン開始時のバランス調整
「オーバーウォッチ 2」では、新しいマップ、ヒーロー、ゲーム・モードなどが9週間ごとに続々と登場するシーズン制を導入します。特にヒーローに関しては、2シーズンごとを目途に新ヒーローが登場する予定です。これに加えて新しいマップやゲーム・モード、そして定期的なバランス調整のアップデートを追加することで、さまざまな戦略やプレイスタイルを楽しむことができ、長期に渡ってゲームを新鮮でダイナミックなものに維持できるようにします。
私たちの掲げる「継続的なゲームバランスの調整を行い、活気のあるライブサービスを実現する」という目標のため、各シーズンでは大幅なバランス調整が実施される予定です。シーズンが移り変わる度に、大幅にバランスが変わることで、そのシーズンの特色を感じていただけると思います。また、ヒーローのパワーバランスを管理し、ゲームを公平で楽しいものにするために追加でバランス調整が必要である場合には、シーズン中に変更を行う準備もしています。
シーズン1 プレビュー
2回目のパブリックベータでは、ヒーローのパフォーマンスに関するデータを豊富に集めることができました。これに加えて、より幅広いコミュニティおよびプロ選手からもフィードバックが寄せられ、サービス開始時のヒーローバランスを決める上でとても重要な役割を果たしてくれました。このデータとフィードバックに基づき、デザインチームはいくつかの調整をほどこしました。2回目のパブリックベータに参加された方なら、最後のベータからさらに変更が加えられたことにお気づきになるでしょう。これらの変更点の多くは、9月23日に開始する次のオーバーウォッチ リーグ「Countdown Cup」トーナメントでいち早く見ることができます。その前に、まずは10月5日に実装される内容のプレビューを詳しくご説明します。
ジャンカー・クイーン
- コマンディング・シャウト
- 味方に与えるライフ・ボーナスが100から50に減少
- 味方のライフの持続時間を5秒から3秒に短縮
- 追加ライフが効果時間中に減少しないように変更
- クールダウンを11秒から15秒に延長
ベータテストから得たデータやフィードバック、および最近のプロ選手のプレイを分析した結果、ジャンカー・クイーンの「コマンディング・シャウト」で得られる追加ライフはあまりにも強力で、上位層のチーム構成においてクイーンの採用率が高い一因になっていると分かりました。得られるライフと効果時間を減少し、クールダウンを増加することで、このアビリティの全体的なパワーを弱めます。これによって、使うタイミングを見極める必要が生じ、リスクが大きくなります。
ジャンカー・クイーンのパフォーマンスや勝率、およびリリース後のプレイヤーの意見はこれからも注視して行きます。
一般
- 追加ライフにダメージを与えた際に得られるアルティメット・チャージを0%から50%に変更
追加ライフがアルティメット・チャージを与えない仕様は、目立たないながらも、ライフ付与系アビリティを強力なものにしていました。この仕様のおかげで、よりリスクの大きい選択やプレイスタイルが可能となっていたのです。特に、追加ライフを他のプレイヤーに与える場合は顕著です。ダメージを与える側にとって、大きなダメージを与えているのにも関わらず、アルティメットがチャージされないことは公平でないと感じることがあるはずです。この変更で、追加ライフの長所を維持しつつ、ダメージを出してチームに貢献しているプレイヤーにもメリットを与えることを目標としています。
- (NEW!)ダメージのロール・パッシブ:敵をキルすると、2.5秒間リロード速度と移動速度が25%増加。累積はしないが、効果時間は更新される
- すべてのヒーローが、交代時にアルティメット・チャージを最大30%引き継ぐ
ダメージヒーローの交代時に最大30%のアルティメット・チャージが受け継がれるという変更を実装した際に、「なぜこれがすべてのヒーローに適用されないのか」というフィードバックが多く見受けられました。テストを続けた結果、私たちはこの意見に賛成し、サービス開始時には全ヒーローに適用されるよう変更しました。
しかしそれでは、ダメージがロール・パッシブを持たなくなることを意味します。そこで、この変更に伴い、敵をキルしたあとの短時間に移動速度およびリロード速度が25%増加するという新しいパッシブをダメージヒーローに実装することにしました。ダメージヒーローを得意とするプレイヤーにとってはやり応えのある調整となり、過剰なパワーを与えることもない、ちょうどいいバランスだと考えています。しかし今後のシーズンにおいて、定期的にメタを変化させるために、これらのパッシブの作用を観察しつつ、調整を続ける可能性もあります。
オリーサ
- 基礎ライフを250から275に増加
- 基礎アーマーを250から275に増加
- 「エネルギー・ジャベリン」のクールダウンを8秒から6秒に短縮
オリーサの前回の大幅調整は好評で、プレイしていて楽しく、なかなか倒されにくく、敵に突撃していくプレイスタイルがとても強力であると意見が寄せられました。しかし、ゲーム内の勝率は依然として最低クラスであり、難しいバランス調整を迫られました。ライフを増やすという確実な強化に加え、「エネルギー・ジャベリン」の使用頻度を増やしたことで前線に突撃する際に存在感が増すことでしょう。
D.Va
- 「ブースター」の直撃ダメージを10から25に増加
- 「マイクロ・ミサイル」のクールダウンを8秒から7秒に短縮
- 「メック召喚」のアルティメットのコストを12%減少
5v5において、D.Vaは他のタンクと比べるとあまり活躍できていませんでした。「ブースター」の直撃ダメージを増加することで、ダイブする際のインパクトを大きくし、素早い動きで敵の陣地深くまでプッシュできるという彼女の強みを活かしました。
ブリギッテ
- 「インスパイア」の持続時間を6秒から5秒に短縮
「シールド・バッシュ」のスタン効果を削除したにも関わらず、5v5においてブリギッテは非常に強く、特に「インスパイア」のパッシブによる回復を最大限に活用したチーム構成においては、その強さが顕著に現れていました。この変更では1秒ごとの回復量は変化しませんが、「インスパイア」の再発動ができない状況となると、全体的な効果は低くなるはずです。
バティスト
- 「バイオティック・ランチャー」メイン攻撃のダメージを24から25に増加
- 「バイオティック・ランチャー」メイン攻撃の距離減衰が開始する距離を20メートルから25メートルに延長
マーシー
- 「ガーディアン・エンジェル」発動中にしゃがむと真上に発進
- 空中でしゃがむことで「エンジェリック・ディセント」が発動
ベータにおけるマーシーの変更では、「ガーディアン・エンジェル」のキャンセルおよびブーストが可能になったことで、移動にかなりの柔軟性が加わりました。しかし、発動前に素早く上を向き、戦況を確認するために再び下を向く必要があったため、真上にブーストすることは多くのプレイヤーにとって難しいことでした。この問題を解決するため、しゃがみ入力をすると向いている方向に関係なく上方向に発進するように変更しました。さらに、空中でしゃがむと、ジャンプと同様に「エンジェリック・ディセント」が発動します。これにより、垂直ブーストを行う際の快適性が大幅に向上します。
バスティオン
- 「アイアンクラッド」のパッシブを再び有効化(変形時にダメージが20%減少)
大幅調整されたバスティオンが登場してから、特に「セントリー・モード」時において、新しい仕様が強すぎるという意見が広く見受けられました。このような懸念に対応するため、パワーを抑えようと「アイアンクラッド」のパッシブを削除しました。現時点において、さらなる時間とゲームデータを評価に費やした結果、「アイアンクラッド」のパッシブを戻しても圧倒的に強力になることはないと判断しました。
リーパー
- 「ヘルファイア・ショットガン」の拡散範囲を8から7に縮小
ソジョーン
- プレイヤーではないターゲット(バリアやタレットなど)から得る「レールガン」のチャージ量をさらに50%減少
ソンブラ
- 「ハック」によるアビリティ阻止の持続時間を1秒から1.75秒に延長
「ハック」によるアビリティ妨害は、アクティブなアビリティを中断させない限り、ほとんど意識されないほど短いものでした。以前の数値に戻そうとは考えていないものの、アビリティが有効だと感じてもらえるように、持続時間を少しだけ伸ばしたいと考えています。この変更は、「オーバーウォッチ 2」でクラウドコントロール系アビリティを少なくするという目標を逸脱するものではありません。クラウドコントロールが抑制された状態を維持するために、今後もパフォーマンスのデータやプレイヤーからのフィードバックを注意深く観察していきます。
皆さんと同様に、私たちも2022年10月5日の「オーバーウォッチ 2」の配信開始をとても楽しみにしています。現在、開発チームは最後の仕上げと今後数か月に及んで登場する大量の新しいコンテンツの制作に向けて懸命に取り組んでいます。サービス開始までの数週間は、「オーバーウォッチ 2」に関するさらに多くの情報をお届けする予定です。